5学年で勝利目指す 上級生も一心同体 木更津高専

 昨年10月のプロ野球ドラフト会議。三重・近代高専3年の鬼屋敷正人捕手が巨人から2位指名され、高専から史上初のプロ選手が誕生したことは記憶に新しい。

 高野連に加盟する高専は全国に58校を数える。県内には、唯一の木更津高専がある。

 「高校野球を引退してからも、後輩たちとほぼ毎日練習できる。僕らにとっては当たり前だし、不思議とは思わない」。そう話すのは、現在同校5年生で、3年まで主将を務めた池田直生さん。5年間の一貫教育を行う高等教育機関と位置づけられる高専では、5学年が同じグラウンドで白球を追っている。

 高校野球に参加できるのは当然ながら3年生まで。4、5年生は6月末にある高専大会を目指す。二重登録はできず、実質2チームが混在している。高専大会前は3年生までが4年生以上の練習に協力し、7月のこの時期は逆になる。

 「いい回転ですよね。上級生にとっては、後輩の面倒を見る立場になって学ぶことも多いのでは」。同校野球部OBで、監督を務める高橋秀雄教授は優しいまなざしで教え子を見つめる。研究や学会の発表で出張の多い高専教員にとって、上級生の存在は頼もしい。より選手に近い目線で、技術指導やノッカーを進んで務めてくれる。

 高専は実験や実習が多いのも大きな特徴。下級生でも、リポートは毎週一つ以上ある。実習が長引いて練習に遅れることもしばしば。「慣れれば何てことはないよな」と言う高橋監督に、ある選手は苦笑いで応える。だが、白球を追う志は普通高校と同じだ。「そういう意味で特別視はしてほしくない」と監督。池田さんは「3年の夏に負けた時は、そりゃあ泣きました」と懐かしむ。


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