ちばの選挙

県と地域で対応にズレ しがらみ残る医療・農業・建設

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 県医師会の政治団体、県医師連盟は6日、会合を開き、あらためて「30日投開票の衆院選は自民党を支持する」ことを確認した。一部自主投票を含め民主党に推薦を出した千葉市医師連盟と対応にズレが生じた。

 ただ、藤森宗徳・県医師会長は「付き合いもある。1回推薦を決めた以上引っ込められない」と話すなど、しがらみを断ち切れなかっただけの決断だった。

 小泉政権下の改革で医療費の抑制や臨床研修医制度の導入による医師不足などで、銚子市立総合病院の休止に代表されるように、地域医療の崩壊が進んだ。だから、藤森会長も「国が何かするとどんどん悪くなる」と現政権に批判的だ。

 県医師連盟はことし4月に自民党支持を決めていたが、「11区では自民推薦に最後まで抵抗していた」という。5月には千葉市医師連盟が1、2、3区で自民・民主両党の立候補予定者を推薦する一方、9区だけは民主党のみを推薦。7月、県医師連盟は民主党の県内立候補予定者と懇談し、民主党支持へ傾く動きもあった。

 ただ、自民党の大臣級幹部も県医師会に接触するようになり、また、麻生政権下で本年度は社会保障費の削減を行わないことを評価。自民支持を守った。

 藤森会長も「今回は政権交代の可能性が強い。敗戦覚悟の戦いだ」との認識ながら、今回は「民主党はまだ実績がない。民主が勝ってからお手並み拝見」を決め込んだ。

 JA千葉中央会に本部を置く県農政推進協議会も、県内全13小選挙区で自民党立候補予定者と政策協定を締結している。ただ、11区内のJA山武郡市は「組織として決定していない」としながらも、ある幹部は「役員と幹部職員の間では、民主支援で一致している」と打ち明けた。

 県内で唯一反旗を翻した幹部は「農協組織は完全に硬直化している。今のままでは農業はダメになってしまう。大きな改革が必要で政権交代はその機会」と危機感を募らせる。JA山武郡市の動きに同協議会は「(自民党支援を)強制できない」と静観の姿勢だ。

 一方で、県建設業協会は、いまだに支持政党を明確にしていない。同協会の会員である県内建設業界トップは政権交代の足音が近づく中、自民支援を打ち出しにくいことが背景にあると認めた。

 自らは「軸足は自民。ヒマワリのように日の当たる方を向くようでは経営者失格」と断言するが、「小泉政権以降、公共投資が毎年カットされ半減した」と恨み節も。自民支持は長年の付き合いと公共事業の大幅カットをうたう民主党の政策を嫌っただけだ。

 小泉改革以降、自民党を素直に支持できない各業界。選挙期間中に失った信頼を取り戻せるか、重い課題がのしかかる。