ちばの選挙

ライバル候補は元自民 盤石地盤も揺らぐ11区

 「(法相の職務などで)大変出遅れました。今回はかつてない逆風の中での選挙。私にとって正念場」

 18日、茂原市内で行われた出陣式。7選を目指す自民党の森英介は集まった約800人を前に、第一声の一言目から危機感をあらわに支援を求めた。

 祖父の代から衆院選通算30連勝の名門一族。森自身も過去4回の小選挙区選挙で、2位に約9万~7万票も引き離す圧勝を続けてきた。だが、県内屈指の強固な支持基盤も今回は、逆風と3月の知事選のしこりなどに揺らぐ。

 民主党の金子健一は、かつて森事務所にも出入りしていた自民党の一宮町議だった。前々回の選挙で千葉3区の民主党候補を応援したため、保守系議員の反発を受けて自民を去った。

 2007年夏に民主党から11区出馬が内定。森が選挙区を留守にすることが多い中、「地元で出るなら(金子を)応援しよう」という声もあり、市町村議員を増やしてきた。

 知事選で森が民主推薦候補を支持したことも、森陣営は「ずいぶん時間もたったし影響はない」とするものの、「保守層のしこりは残っている」と指摘する有力者は少なくない。東金市議22人のうち、森支持を明確にしているのは数人。いすみ市でも保守系市議の半分とみられる。

 金子支持は従来、自民党支持だった各種団体にも浸透し始めた。JA山武郡市は「組織決定はしていない」としながらも、役員・幹部は内々で民主支援方針を打ち出している。

 県解体工事業協同組合も11区だけは、森だけでなく金子にも推薦状を出した。同組合は「それぞれの利害があり、昔のように一本化はできない。組合の分裂を防ぐための苦渋の決断だった」としている。

 揺らぐ地盤に、森も手をこまぬいていたわけではない。この夏、選挙区内各地で開催される大きな祭りのほとんどに出席した。これまでは秘書の代理出席も少なくなかったが、今回は森自身があいさつに立ち、法相としての実績を強調。各種団体のテントを回り、一人一人と握手を交わしながら支持を呼び掛けた。

 だが、「(これまでの森の)安泰ムードは様変わりしている」と夷隅郡市の首長。地方議員の間には「ひょっとしたら:」との悲観的な見方も出ている。

 「郵政選挙で皆さんの生活がずたずたになり、医療や教育でも格差が生じている。地方のことは地方にいる人が一番良くわかる」と、金子は公示日の18日、茂原市内での出陣式で約300人を前に地元密着候補をアピール。

 さらに、「はじめのころはどこに行っても『民主党かよ。戦う相手は誰だと思っているんだ』と言われた。それがいまここにいる人たちと話ができる」と、支持広がりへの手応えも示唆した。

 幸福の久我司は選挙区内を回り、憲法9条改正などを訴える。(文中敬称略)


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