ちばの選挙

郵政民営化で全特一揆 経済界トップ現政権にノー

 6月末、千葉9区で自民党の水野賢一衆院議員(当時)は自らの集会で「民主党は癒着がいかんと言いながら、私の相手は郵政官僚で郵便局丸抱えの選挙をしている」と、民主新人の奥野総一郎氏を批判した。郵政族議員だった養父・清氏の代から、恩も義理もあるはずの全特(全国郵便局長会)が、民主党支援に転じたのだから無理もない。

 民主党支援に変わった理由について前関東地方郵便局長会長で九十九里町の行川芳司氏(66)は「小泉改革の郵政民営化は罪の方が多い。竹中(平蔵・元総務相)は自由度が増すと言ったが、自由になったものは何一つない」と反論。郵政民営化に怒る各局長の“一揆”だと強調した。

 郵便・保険・貯金の3事業が分社化され「同じ建物なのに別会社。お客さまから苦情も多い。サービスも低下した。今までやってきた地域貢献も民営化で利益優先になり、できなくなった」と嘆く。

 「我々は公務員に戻せと言っているのではない。お客さま本位で仕事をしたいだけ」と訴える行川氏は昨年末、民主党の小沢一郎代表(当時)と面談した。全特の推薦の“見返り”として、郵政3事業を一体会計にすることなどをマニフェストに盛り込むよう要求。実現させた。すでに9区と11区では「全戸にポスティングした」と豪語する。

 ただ、民主党政権に不安があるのも事実。だから小沢前代表との面談で「私は今の段階では民主党に魂までは売りません。政権交代の出来栄えによるよ」と郵政見直しを確実に実行するようクギを刺したという。

 自民党離れは経済界にも垣間見える。県内経済界トップの1人は「代わった方がいい。期待通りに民主ができるか見たい」とためらいもなく言い切った。

 バブル経済崩壊後、県内経済は冷え切ったまま。そこに金融危機が追い打ちをかけたからだ。麻生政権の景気対策についても「自民の不況対策は『アニメの殿堂』など、どこか抜け落ちている。財政問題など長期的視点が欠けている」と首をかしげる。

 さらに、日本郵政社長人事で大臣が辞任するなどこれまでの自民党の混乱ぶりに「自壊の原因は小泉(純一郎元首相)時代からあった」と自民党の体質そのものにノーを突きつけた。「経営者レベルだと今までは自民党と言われていたが、今は必ずしも自民ではない」とも漏らした。

 ただ「民主党も自民党と政策では大差ない。グローバルな経済情勢にふさわしい新しい政策を打ち出せるか」と不安ものぞかせる。

 郵政と経済。立場が異なる2人の実力者とも、自民党を批判しつつ、民主党に不安を感じている。


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