茂原市を代表する伝統民芸品の「鯛(たい)ちょうちん」が7月4、5日に開催される同市茂原の八坂神社の夏祭りで今年も配られる。祭りを前に氏子らが神社に集まって持ち手を付ける作業を進め、無病息災や家内安全を願う鮮やかな民芸品が並んだ。古くから伝わる夏の風物詩だが、次世代への継承が課題となっている。
(井田心平)
鯛ちょうちん(長さ約25センチ、高さ約15センチ)は、木材を薄く削った経木に鯛の絵を刷って赤く塗り、中にろうそくが立つように組み立てる。保存会の杉田忠聰会長(89)が祭りに向けて毎日コツコツと手作りしている。
以前は地元の子どもたちに作り方を教えることもあったが、新型コロナ禍を境に途絶えているという。氏子からは「作り方を熟知しているのは今では杉田会長ぐらい」との声も。地域住民の高齢化と減少も進み、伝統の継承が課題となっている。
6月22日には、氏子ら約10人が神社に集まり、杉田会長が作った鯛ちょうちんに持ち手の竹を付ける作業を進めた。今年は氏子の他に茂原商工会議所女性会のメンバーも参加。女性会の成家江吏子さん(48)は「途絶えてしまったら復活させるのが大変。みんなで協力して継承したい」と話した。
祭りの運営自治会の一つである榎町第二自治会の会長を務める保川和弘さん(72)は「鯛ちょうちんがあるから祭りも盛り上がる。良いものだなと子どもたちにも思ってもらいたい」と願った。
7月4日午前10時からの神事の後、参拝者に約400個を配る予定。無くなり次第終了。
1689年創建と伝わる同神社では祭礼時、五穀豊穣(ほうじょう)を願って神前に鯛を供える習わしがあったが、不漁が続いたため、経木で作った鯛を奉納。その後、鯛ちょうちんが祭礼日に飾られるようになったと言われている。








