ちばの選挙

親子2代で5度目火花 因縁対決の3区

 「親の代から根強いものがある」

 自民党前職・松野博一の陣営幹部は、5度目となる“岡島”親子との対決に焦りを隠さない。民主党元職・岡島一正と父の故・正之とは、この13年間で2戦ずつ交え1勝1敗ずつの通算2勝2敗。選挙のたびに「当」の字を奪い合った。松野と岡島は、ともに県立木更津高、早稲田大出身と因縁深いが政治家としての互いの信念が火花を散らす。

 前回2005年の衆院選。松野は岡島に約2万票差を付け、10万台の大台に乗せたが、今回は逆風。陣営からは、「前回より票が増えるとは思えない」と弱音も漏れる。

 一方の岡島は、「自民から民主へという声の力を感じる。前回(松野に)負けた票差かそれ以上が乗れば」と余裕の表情。「松野さんでなく自民党政治との闘い」と言い切る。03年衆院選では約900票差の接戦を制したが、05年の郵政解散で、「一番最後に議場を出た」後、再び赤じゅうたんを踏むことはなかった。

 今回岡島は、地域の声に耳を傾ける姿勢を強化。集会などで配ったアンケートの回収は6千通を超えた。市民の会合回りや自転車遊説にも精力的。臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の4年間を経て、終盤の詰めに甘さはない。

 松野が初めて“岡島”に勝ったのは00年。約3万票の大差で、“岡島党”と呼ばれる幅広い支持層を持つ正之の牙城を切り崩し、公募制で選ばれた国内初の衆院議員となった。約1万票差で惜敗した初対決から4年後のことだった。

 岡島は父と所属政党こそ違うが、事実上の「世襲」。対する松野は、「『地盤・看板・かばん』のないゼロからのスタート」を掲げ、岡島との違いを前面に出す。陣営は、「(岡島は)銀のスプーンをくわえて来られた方。いまだに岡島さんの地域では『自民党だけど岡島』という人がいる」と悔しさをにじませる。

  “岡島党”は息子の代でも健在だが、岡島は「後援会のメンバーは入れ替わったし、父の(支援者)名簿と比べると数も減った」と明かす。前回の県議選で不協和音が響いた“岡島党”の重鎮、民主党の杉田守康県議は、今回の選挙では影をひそめているが、岡島は、「杉田さんの支援者はほとんど一緒だから問題ない」と強調する。

 松野も「勝手連的な小規模組織」を全域に広げており、圧勝した05年の選挙時と比べてもその数は倍増。「コアの層は着実に固める」と意気込む。1万~2万とされる浮動票の行方に加え、候補が出ない共産票の取り込みも焦点となる。3区では幸福実現党の古川裕三も支持層拡大を狙う。(文中敬称略)

 ◇千葉3区=千葉市緑区、市原市。


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