飲酒運転の常習性明らかに 検察側「同僚の注意聞き流す」 八街5人死傷事故初公判

初公判に臨む梅沢洋被告(イラスト・勝山展年、共同)
初公判に臨む梅沢洋被告(イラスト・勝山展年、共同)
捜査員に連れられて現場検証する梅沢容疑者=7月、八街市
捜査員に連れられて現場検証する梅沢容疑者=7月、八街市

 八街市で児童5人が大型トラックにはねられ死傷した事故の初公判では、運転手の飲酒運転が常習的だったとみられることが明らかになった。検察側は、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた梅沢洋被告(60)が、遅くとも昨年には仕事中に飲酒運転をするようになり、同僚や取引先に注意、警告されても改善しなかったと指摘した。

 開廷予定の午前10時から約5分遅れで始まった初公判。白髪混じり短髪の梅沢被告は、黒っぽいジャケットとズボン姿で証言台の前に進んだ。裁判長から起訴内容に間違いがないか問われると、「ないと思います」とはっきり回答。事故当時の様子や飲酒の状況をつまびらかにした検察側の証拠調べの最中は、弁護人の隣でうつむき加減に一点を見つめていた。

 「同僚から注意されても聞き流し、飲酒運転を続けた」と冒頭陳述で指摘した検察側。その後の証拠調べではさらに、飲酒に関する取引先企業の証言を読み上げた。月4回ほど被告と会っていた取引先関係者は「4~5年前から酒の臭いを感じ、深酒かと思った」と話し、昨年夏ごろには「酒の臭いがするが大丈夫か」と被告の勤務先に警告していたという。

 検察側は、現場検証に立ち会った際に被告が、事故現場手前の約200メートル地点から記憶がないという趣旨の供述をしたと説明。被告は職場に戻る途中の幕張パーキングエリアで飲酒した影響で、現場手前で居眠り状態に陥り5人を次々にはねたとされ、居眠りを裏付ける供述とみられる。

 こうした飲酒状況について、アルコール依存症の回復支援をする自助団体「全日本断酒連盟」の大槻元参与は「TPO(時、場所、状況)をわきまえず飲むようになった時点で依存症が進行している」と指摘。

 依存症の人は周囲の意見を聞き入れるのが難しい状態に陥りがちだとして、「誰にでも依存症になる可能性はある。飲み過ぎているなと少しでも不安になったら、すぐに専門機関へ行き、じっくり時間をかけて生き方を変えることが必要だ」と話している。


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