特殊詐欺防止へ「つながり大切」 町内会加入者ほど家族で会話 淑徳大生が千葉県民に調査

特殊詐欺に関する調査結果をまとめた山本教授(右端)と学生たち=淑徳大
特殊詐欺に関する調査結果をまとめた山本教授(右端)と学生たち=淑徳大

 淑徳大学コミュニティ政策学部(千葉市中央区)の学生が電話de詐欺などの特殊詐欺に関して県民約1万人の知識や意識などを調査し、分析結果をまとめた。町内会の加入者ほど特殊詐欺の知識を持ち、自治体の広報紙や新聞などで情報に接している人は家族内で特殊詐欺について話し合う傾向が強い。特殊詐欺被害の防止に向けて、学生たちは「地域や家族とのつながりが大切」と結論づけた。

 調査は同学部4年生の15人が昨年度、山本功教授(犯罪社会学)が指導教員を務めた授業「社会調査実習」で実施。昨年11月19~27日にインターネットで行い、20~69歳の男女1万1326人から回答を得た。県内を千葉市、東葛、内房、外房の4地域に区分し、人口比に合わせて各地域の調査人数を調整。千葉県の“縮図”になるよう配慮した。

 調査結果によると、自身が特殊詐欺に遭う可能性を同性の同年代に比べてどう思うか尋ねたところ、約70%が「とても低い」「低い」と回答。60歳以上でも危機意識は低いままで「自分は大丈夫」と思いがちなようだ。併せて尋ねた空き巣やひったくり、乗り物盗などは「とても低い」「低い」がいずれも計約40%だった。

 特殊詐欺の知識では、約80%が子どもや孫らを装う「オレオレ詐欺」の手口を知っていると回答。キャッシュカードを取りにくる手口やSNSを使った架空請求の手口はともに約70%が知っていた。町内会加入・非加入でみると、4地域とも加入者の方がより多くの知識を有しており、報告書は「町内会を経由して知識が広く伝わっている可能性を示唆している」とした。

 また、過去1カ月に家族で特殊詐欺に関する会話があったかを質問。さまざまなメディアを通して対策情報に接触している人の方が家族内で会話をしている傾向があった。特に人づてに対策を聞いた人ほど話していたことが分かり、口コミの効果が確認された。

 固定電話の防犯機能の使用状況も質問。着信拒否や自動録音などの機能の使用率は約30%にとどまる。相手を確認するため在宅時でも留守番電話機能を使っているのは約45%だった。

 学生たちを代表して東條文哉さん(21)、渡辺清成さん(21)、中村達哉さん(21)の3人が今月、県に調査結果を報告。対策への活用を求めた。

 東條さんは「特殊詐欺の防止には人とのつながりが大切ということが判明した。高齢者が孤独にならないよう行政や地域がつながりを持てるかが課題。今回は千葉のデータだが、全国でも傾向は同じではないか。調査結果を対策に生かしてほしい」と期待した。

 調査結果は同大学のホームページで公開している。

◆電話de詐欺、SNSで注意喚起 千葉県が定期発信

 県は、電話de詐欺被害防止へSNSを活用した新たな広報啓発事業を行うこととし、開会中の定例県議会に提出した6月補正予算案に事業費1千万円を計上している。

 同事業は、ツイッターなど県の公式SNSの閲覧者に電話de詐欺の発生情報や手口、家族間で連絡を取り合うなどの防止対策を定期的に発信する。被害の多い高齢者だけではなく、孫や子世代の防犯意識を高めて家族内で注意を促してもらうことを狙った。

 県くらし安全推進課は「家族間のこまめな連絡は被害防止に有効。家族の絆で高齢者を守って」と話している。


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