高校教師が銭湯魅力発信 千葉県PR大使・後藤泰彦さん(我孫子) 600軒訪問、自作マップも きょうはいい風呂の日

マスク着用など新型コロナ対策に留意しながら銭湯に足を運ぶ後藤さん(右)。千葉県公衆浴場業生活衛生同業組合理事長の土肥一夫さんも活動に期待している=松戸市の平和湯ランド
マスク着用など新型コロナ対策に留意しながら銭湯に足を運ぶ後藤さん(右)。千葉県公衆浴場業生活衛生同業組合理事長の土肥一夫さんも活動に期待している=松戸市の平和湯ランド

 きょう11月26日は「いい(11)風呂(26)の日」。我孫子市の高校教諭、後藤泰彦さん(40)が「体も心も温まる」という大好きな銭湯の魅力を発信し、新ファンの呼び込みに一役買っている。3年前には「千葉県銭湯大使」に任命され、最盛期に比べると大幅に減少している銭湯を元気づける活動を地道に続けている。

 後藤さんは県立佐倉高校で地理を教えている。もともと趣味の旅行で時々足を運ぶ程度の銭湯だったが、当時勤めていた学校の合宿で利用したのを機になぜか気になりだし「そもそも千葉には銭湯がどのぐらい、どこにあるのか」と素朴な疑問を抱くようになった。

 5年ほど前から県内をはじめ全国約600カ所の銭湯を訪れてきた。楽しむばかりではなく、初めて利用した際には独自の「研究」を欠かさない。営業日や浴室を彩るペンキ絵、サウナの様子、湯の熱さなどを自作の記録簿に書き留める。「今まとめておかないと、一生触れることのない銭湯があるのでは」。そんな思いから研究対象として着目してきた。

 目立たない看板で街の中にとけ込んでいたり「何だこの熱さは!」と思わず体を引っ込めた湯もあった。銭湯を巡りながら「紋切り型じゃない個性がある」と気付かされた。当時営業していた県内の銭湯で、昔ながらの「番台」があったのは3割ほどの少数派で、残りはフロント形式。そんな実態も分かった。

 後藤さんの銭湯愛が関係者の目に留まり、2017年には県内銭湯が加盟する県公衆浴場業生活衛生同業組合が公認した初の県銭湯大使に就任。活動はボランティアで、法被姿でくじ引きなどの催しに駆け付け、銭湯関係の情報を会員制交流サイト(SNS)で発信している。

 昨年11月には、インターネットの地図を活用した自作の県内銭湯マップをツイッターで公開した。「初めて行く人も分かりやすいように」と営業日や定休日といった基本的な情報を掲載。佐倉高校で顧問を務める漫画研究部員の作品も今後銭湯に掲示してもらう予定だ。

 後継者不足や生活スタイルの変化などに伴い、銭湯は全国的に減少している。同組合には現在43軒が加盟するが、昭和40年代前半は360軒以上あったという。「興味を持った人が一歩踏み出しやすくするのが、役割かもしれない」と情報発信の在り方や県外の銭湯好きと一緒に盛り上げる活動を模索している。

 新型コロナウイルスの影響で、客足が落ち込んでいる銭湯もある。感染防止対策を取りながら営業する銭湯に、自身もマスク着用といったルールを守りながら足を運ぶ。

 地域に根差した個性ある銭湯が、存続し続けることが願いだ。なじみの銭湯で客と店主が短い世間話を交わし、湯に漬かった親子が仲良く家に帰る。そんな光景に「体はもちろん、心もほっこりあったまりますよね」と笑顔で話した。


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