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拓大紅陵・片岡拓、起死回生の逆転3ラン 「一振りで決めてやろう」 第108回全国高校野球 千葉大会 最終日 #熱球千葉

 ▽決勝(ZOZOマリン)
拓大紅陵
  000000003-3
  100000000-1
専大松戸

 懸命に戦う仲間の思いを乗せた4番打者の弾道が、快音を残して左翼席で大きくはね上がった。0―1の九回無死一、三塁、拓大紅陵の片岡拓月が劇的な優勝を呼び込む逆転3ラン。チームメートの連打で迎えた絶好機で「一振りで決めてやろう」と気合を込めた主砲は「紅陵に新たな歴史をつくることができた」と喜びを爆発させた。

 前の3打席は、2三振といいところなく無安打。それでも坂巻展行監督からは「打て」のサイン。改めて自身への信頼を実感し「狙い球は決めず、最初のストライクを振っていこう」とバットを構える。初球のボール球を見送り、2球目のやや高めの内角直球を迷いなく完璧に捉えた打球は左翼席へ一直線。「行ってくれ」との気持ちを込めて走り出すと、一塁側の大応援団からの歓声にも押されるようにスタンドイン。「やったぞ」と右拳を掲げてほえた。

 春に1点差で惜敗した専大松戸に「勝ち負け以上に、自分たちの泥臭い野球をしてやろう」と闘志をたぎらせた紅陵ナイン。仲間がいい形でつなげてくれたからこその逆転劇だとし「自分の一発ではなく、チームのホームラン」と誇った。

 父の将義さんは、拓大紅陵が最後に夏の甲子園に出場した24年前の4番打者。主砲の遺伝子を受け継ぎ、普段は厳しいことを言われることが多いが、決勝戦の朝は「全力で楽しんでこい」と背中を押してくれた。片岡拓は「最高の恩返しができたかな」と殊勲の一発をかみしめ、「甲子園でも先を見ずに一戦必勝するだけ」と力強く宣言。そんな息子に、父は「拓月の努力のたまもの」と顔をほころばせた。

 今大会は2試合で登板した背番号10の右腕、弟の颯太とは、試合後に喜びを分かち合った。「兄弟で甲子園に行けてうれしい」。最高の親孝行を果たし、いざ甲子園に乗り込む。(柏和真)

第108回全国高校野球選手権千葉大会