安価なAIロボ開発 道案内や見守りに活用 国際情報ネット (柏市) 【ちばの元気企業】

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「医療や子育ての現場で役立つロボットを作りたい」と話す尾形社長(左)と、ロボット開発チームのメンバー=柏市
「医療や子育ての現場で役立つロボットを作りたい」と話す尾形社長(左)と、ロボット開発チームのメンバー=柏市
昨年6月、柏市役所で実証実験に臨んだAIロボット「D-haT」
昨年6月、柏市役所で実証実験に臨んだAIロボット「D-haT」

 ソフトウエアの開発を手掛ける「国際情報ネット」(柏市、尾形廣秋社長)は、2016年から人工知能(AI)を使用した「おもてなしロボット」の製作を進めている。これまでに完成させたロボットは計4台。人間の声や顔を識別できるのが特長で、道案内のほか、子どもや高齢者の見守りが必要な保育や介護の現場で販路開拓を目指す。

 1989年に設立。官公庁や大学、病院など、公民学での連携に力を入れており、手術ロボ「ダ・ヴィンチ」の術中映像をリアルタイムで他病院へ転送する国内初のシステムは、岡山大学と共同で開発した。

 2012年に発表した同システムは、医師の技術向上や通信コストの削減に効果的だとして、全国の医療機関が注目。千葉県内では、我孫子市の我孫子東邦病院で活用されている。

 18年3月期の売上高は2億8千万円。ソフトウエアの企画開発が収益の9割を占める中、尾形社長は新ビジネスにAIロボの製作を選んだ。世界中の大手メーカーが最新技術を駆使してロボの開発に力を注ぐ中、「現場の需要に応える安価なロボを作りたい」と考えたのがきっかけだった。

 「病院で迷子になったお年寄りを探すため、駆け回る看護師さん。人手不足の保育園で、子どもの安全や不審者の侵入に目を光らせる保育士さん。忙しすぎる彼らの仕事をロボットと分担することで、負担を軽減させ、地域に貢献したいと思った」(尾形社長)

 計約3500万円を投入して完成させたのが、人が近づくと反応して話し掛けてくる「D-haT」。昨年6月には庁舎内をガイドする“おもてなし係”として、柏市役所で実証実験に臨んだ。プラスチックや発泡スチロールなど、本体に軟らかい「弾性素材」を用いるのがセールスポイント。子どもがぶつかってもけがをせず、価格も下げられるメリットがある。

 現在は3号機が福島県の保育所で稼働中。実証実験を繰り返してAIの語彙(ごい)を増やし、方言や略語にも対応できるようにする。尾形社長は「顔認証で子どもを迎えに来た親を識別できるので、防犯にも役立つ。改良を重ね、大手の半値での販売を目指したい」と意気込む。