ちばの選挙

前職2人に新党の台風 市長選の余波続く4区

 民主党前職・野田佳彦と、自民党前職・藤田幹雄による事実上の一騎打ちと思われたが、6月の船橋市長選で6万2627票を獲得し惜敗した野屋敷いと子が8日、新党「みんなの党」からの立候補を表明し、情勢は一変した。

 同市長選で、野田と藤田は当選した藤代孝七市長の陣営に相乗り。当初は「信任投票」とみられた選挙だったが、「庶民革命」をうたい渡辺喜美元行革相らの支援を受けた野屋敷に無党派層を取り込まれ、想定外の辛勝となった。

 転覆しかけた呉越同舟に冷や汗をぬぐった野田と藤田。特に野田は民主県連が多選首長の推薦を禁じる中、地元支部推薦というスタンドプレーに出ただけに当時ほぼ無名だった候補相手の苦戦は大きな痛手だった。

 党内部からも批判が噴出。野田は「(藤代市長を)1期目から担いできた。信頼関係を損なうような政治家にはなりたくない」とし、総選挙では自民対民主の対立構図で仕切り直すつもりだった。しかし、野屋敷の参戦が水を差した。

 「野屋敷が出れば、割れるのは民主票。保守票をしっかり固めれば野田に勝てるかもしれない」

 にわかに期待が広がったのは藤田陣営だった。小泉旋風が起きた4年前でさえ、県内選挙区で唯一敗れて比例復活しただけに、藤田は「民主で最も選挙に強い1人」と位置付けていた野田との正面衝突に、危機感を抱いていたからだ。

 ただし、ある選対スタッフは「ありがたいと思う人もいるかもしれないが、藤田の若さを武器に取り込みたい無党派層も(野屋敷に)持っていかれる可能性がある。むしろ、引き締めたい」と慎重姿勢だ。

 一方、党幹部の野田は他選挙区への応援で地元を多く離れなければならず、解散後16日間をそのノルマとしていたが、今月に入り「野屋敷を若干意識」(野田陣営)。ノルマを維持した上で調整し、地元での街頭演説の回数を増やした。

 台風の目になりそうな野屋敷だが、市長選での善戦が、政党色の濃い国政選挙でも通用するか。市長選時から使うスローガン「船橋をまる洗い」は野田の「ニッポン丸洗い」に酷似しているが、野屋敷は「偶然似た。民主ごと船橋を丸洗いだ」と息巻く。

 共産党新人の斉藤は「政権が変わっても、有権者の意向に沿わない方向性に待ったを掛ける政党が必要」と存在感をアピール。幸福実現党新人の山中は景気回復への政策を訴えている。(文中敬称略)

 ◇千葉4区=船橋市。


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