「当然」「擁護おかしい」 森会長辞意 千葉県民から批判相次ぐ 迫る五輪、後任に不安も

東京五輪・パラの開催都市となる千葉市のJR千葉駅前には機運醸成に向けた横断幕が掲げられている=11日午後0時55分ごろ、千葉市中央区
東京五輪・パラの開催都市となる千葉市のJR千葉駅前には機運醸成に向けた横断幕が掲げられている=11日午後0時55分ごろ、千葉市中央区

 女性蔑視発言で批判を浴びた東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が辞任の意向を固めた。開催都市の一つとなる千葉市では「辞めるのは当然」「(森氏を)かばっていた人がいるのはおかしい」など森氏とその周辺に対し県民の厳しい批判が相次いだ。一方、世紀の祭典は新型コロナウイルスの感染拡大で不確定要素を残したまま開催まで半年を切った。「後任が最後の調整を果たせるのか心配」と不安の声も上がった。

 大会の機運を高めようと「TOKYO 2020」と書かれた横断幕が複数掲げられる同市中央区のJR千葉駅前。「森氏辞任は当然だが、周囲にこれまでかばっていた人がいるのがおかしい」と指摘するのは小学生の男児を育てながら学校事務職員として働く女性(44)。「上の世代には女性差別やセクハラを理解できない人が一定数いる」と日頃感じる不満も吐露。「後任には新しい風を吹かせてほしい」と願った。

 森氏の発言には若い世代からも批判が相次いだ。

 千葉市の高校1年の女子生徒(16)は「ひどい差別。影響力ある人が発言すると、世間でもこの発想が容認されてしまう」と指摘。学校では女子の制服にもスラックスが導入されているといい、「男女に差がない環境で過ごしているので、発言の意図が理解できなかった」とあきれた様子も見せた。

 東京大会では陸上競技を観戦する予定という千葉市稲毛区の男子大学生(19)は「大学の議論では、男女に変わりなく良い意見を言う人がいる。日本は差別への向き合い方が遅れているというイメージを世界中の人に抱かせてしまった」と困惑した。

 森氏の同年代からも厳しい声が上がった。習志野市の男性(82)は「発言に女性蔑視の意図はなかったんだろうと思うが、オリンピックの理念に反する。トップとして話す前に考えるべきだった。開催に向けて代えがたい大役を担ってくれたが、筋論として辞めるしかない」と戒めた。

 千葉市花見川区の女性(87)は「女性でも言うべきときは言うし、発言はアウトだった。初めは続投を示していたのに、翻ったのは不思議」と首をかしげる。ただ、IOCとの調整など手腕は評価し、「新しい会長は大変なかじ取りになると思う」と心配した。

 発言問題や新型コロナの収束が見通せない状況から開催中止を望む女性(77)は森氏の「組織委員会の女性はみんなわきまえておられる」との発言も問題視。「誰もわきまえなくて良い。普通でいいんです」と一蹴した。


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