五輪組織委の森会長 女性蔑視発言 県内にも波紋 ボランティア5人辞退 「時代変化分かってない」

東京五輪・パラリンピックまでの日数をカウントするパネル。開催日が近づく中、女性蔑視発言の波紋が県内にも広がっている=9日、県庁
東京五輪・パラリンピックまでの日数をカウントするパネル。開催日が近づく中、女性蔑視発言の波紋が県内にも広がっている=9日、県庁

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言が、県内でも波紋を呼んでいる。大会ボランティアの辞退が相次ぐ中、県と千葉市など4市町が募集した都市ボランティアで、少なくとも男女5人が辞退を表明。関係者からは「時代の変化を分かっていない」と、森会長を批判する声が上がっている。

 県県民生活・文化課などによると、大会ボランティアが大会・競技運営を支えるのに対し、都市ボランティアは競技会場や宿泊施設周辺での交通・観光案内を担う。県内の都市ボランティアは1月末時点で2683人。県のほか千葉と成田、浦安、一宮の4市町が運営主体となって準備を進めている。

 森会長は3日、日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で女性蔑視発言をし、国内外から批判が集まった。8日時点の県の集計では、今回の問題を受け千葉市分の3人が都市ボランティアを辞退。9日午後3時時点では、同市分でさらに2人が退く意向を示したという。

 市オリンピック・パラリンピック振興課は、現時点で発言による辞退者分の補充は考えていないと説明。県の担当者は「発言を巡る混乱もあるが、志願した県民が安心して過ごせるようサポートする」とした。

 都市ボランティアとして採用された県民は、今回の問題をどう見るのか。五輪サーフィン会場となる一宮町の女性(58)は「今は男性と女性が一緒に仕事や家事をして家庭を築いている時代。(森会長は)時代が変わったのを分かっていない」と語気を強める。

 ボランティア軽視とも受け取れる自民党・二階俊博幹事長の「辞めたいなら新たに募集する」との発言については「ボランティア研修などを受けてきて、みんなで一緒に盛り上げていこうという雰囲気を乱している」と指摘した。

 「発言は問題だが、女性差別問題を見つめ直すいい機会」と受け止めたのは、千葉大大学院生の都築則彦さん(26)。大会に関するイベント開催などに取り組む学生団体「おりがみ」の代表で、自身も大会ボランティアとして車いすテニスの会場運営を担当する。

 五輪憲章には差別を禁止する旨の記載があり、森会長の発言で根本原則が注目されるきっかけになると期待する。「(森会長を)辞めさせただけでは解決にならない。これを機にジェンダー問題をしっかり考えてほしい」と訴えた。


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