飲酒運転事故死者13人 昨年上回り千葉県警危機感 検問改良や民間周知強化 ひき逃げで殺人、起訴例も

市原署の海老根一浩署長を前に「飲酒運転根絶宣言」を読み上げる東レグループ会社の従業員ら=18日、市原市
市原署の海老根一浩署長を前に「飲酒運転根絶宣言」を読み上げる東レグループ会社の従業員ら=18日、市原市
千葉県庁で行われた出動式=19日午後、千葉市中央区
千葉県庁で行われた出動式=19日午後、千葉市中央区

 多発する飲酒運転による死亡事故に千葉県警が危機感を募らせている。11月末現在の死傷事故は146件と前年同期より27件減ったが、死者は12人と4人増加。12月に入ってからも1人増え、既に昨年1年間の死者数9人を上回っている。忘年会シーズンを迎える中、県警は検問を改良したり、民間企業に働き掛けて周知活動を強化するなどして対策に力を入れている。

 1月には死亡ひき逃げ事件が立て続けに起き、2人が犠牲になった。2日深夜、浦安市でバイクの男子大学生が軽ワゴン車に約1・4キロ引きずられ死亡。飲酒運転の男は殺人罪などで起訴された。翌日には多古町でも発生している。

 県警交通総務課によると、昨年発生した飲酒運転の死傷事故は192件だった。歓迎会が多い4月と忘年会のある12月はそれぞれ19件起きており、酒を飲む機会が多いこともあり発生が増える傾向にあるという。時間帯別でみると、午後8時からの4時間で56件と夜間が多かった。

 県警はこうした状況を受け、夜間の飲酒検問の方法を変更し、検問のすり抜けを防ぐため1カ所での実施時間を短縮。機動力のある白バイ班を導入し、これまで1時間程度だった検問を10~15分と短時間に変えて実施場所を増やした。過去の発生傾向の分析を取り入れ、検問する場所を決めている。

 民間への啓発活動も見直した。9月には県酒類業懇話会と合同で初めて飲酒運転根絶大会を開催。同会には運転手への酒不提供の徹底を誓ってもらった。

 市原市に工場がある「東レ」のグループ会社には「飲酒運転根絶宣言」の実施を要請。今月18日、車で通勤する従業員を中心に約80人が「飲酒運転は絶対しない」「社会から根絶されるよう取り組む」などと声をそろえた。県警は今後も同様の取り組みを行っていく方針。

 同課によると、違反者の多くが「酒が抜けたと思った」「仮眠したから大丈夫」と弁明する。度数5%のビール500ミリリットルのアルコールが抜けるのに成人男性で約4時間は必要だという。同課の担当者は「これからの時期は飲酒の機会が増える。飲んだら絶対に十分な時間確保を」と呼び掛けている。

◆年末年始へ特別警戒 事故、詐欺抑止へ出動式 県警

 県警は19日、千葉市中央区の県庁で年末年始特別警戒取り締まりの出動式を行った。森田健作知事や熊谷俊人千葉市長も出席し、防犯ボランティアら約110人は、防犯・交通事故防止のための対策強化を確認した。

 県警の早川治本部長は、事故や電話de詐欺が多発することを懸念し「運転手は早めにライトを点灯し、歩行者は横断歩道を渡り安全意識を持ち事故を防いで」と強調。森田知事も「事故をなくすための対策をして、千葉県が一番と言われるようにしていこう」と呼び掛けた。式後にはパトカーなど20台が繁華街などに出向き、各地で警戒に目を光らせた。

 県警によると、県内の交通事故死者数は18日時点で166人に上り全国ワースト。12月は18人(前年同期比9人増)が死亡している。


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