復旧へ一歩前進 JR久留里線一部再開 「生活の足」代行輸送も 【台風15号】

JR久留里線は9日から全面運休が続き、久留里駅のホームには車両が停車していた=19日、君津市久留里市場
JR久留里線は9日から全面運休が続き、久留里駅のホームには車両が停車していた=19日、君津市久留里市場
南総公民館近くで線路の倒木を撤去する小湊鉄道の社員ら=11日、市原市
南総公民館近くで線路の倒木を撤去する小湊鉄道の社員ら=11日、市原市

 台風15号による被害で、9日から全面運休していたJR久留里線。沿線住民の「生活の足」として利用されているほか、鉄道ファンにも人気のあるローカル線だ。20日には木更津-久留里間の運転を再開し、利用客らが待ち望む全区間での復旧に向けて一歩前進した。ただ、久留里-上総亀山間での復旧時期は未定で、21日からはマイクロバスなどでの代行輸送が始まった。

 久留里線は木更津(木更津市)と上総亀山(君津市)を結ぶ非電化路線。亀山駅近くには紅葉の名所として知られる亀山湖があり、観光客やローカル線の旅を楽しむ鉄道ファンに人気がある。

 JR千葉支社によると、久留里線では台風で線路への倒木や盛り土の流出が広範囲で発生。路線地区での停電は長期間にわたり、踏切などの安全確認作業も時間がかかった。現在も久留里-上総亀山間では、設備故障や倒木があり復旧作業が続いている。

 久留里線の1日の平均利用客は約千人(昨年度)。特に久留里駅を最寄りとする県立君津青葉高校では、全校生徒319人のうち9割が同線を利用。全面運休は通学の足に大きな影響を及ぼし、同支社は同校が授業を再開した17日から生徒向けの臨時バス5台を用意し、登下校時の送迎を行った。同校によると、220人程度が利用した。

 安西聖依校長は「送迎の支援がなければ、休校は続いていたので感謝しきれない思いだった」と話す。ただ、「運休がさらに長期化すれば、現実的に送迎を続けてもらうのも厳しいのではと感じていた」と、不安があったことも明らかにした。

 同支社は一般の利用客向けとして、20日まで久留里-木更津間で代行バス輸送を実施。木更津市内の高校に通う女子生徒(17)は「満席でバスに乗れなくなりそうになったこともあったので、早く復旧してほしい」と願っていた。

 21日から始まった久留里-上総亀山間での代行輸送は、これまで実施されておらず、利用者は自家用車による送迎などで久留里駅まで向かっていた。同区間にある上総松丘が最寄り駅で、木更津市にある高校の女子生徒(18)は「通学に時間を取られる。受験生にとっては痛い」と話しており、今後こうした悩みも解消される。

 同支社によると、代行輸送は全面復旧までの当面の間運行する予定。同支社の担当者は「全面復旧に向けて全力を尽くす」と話している。

◆小湊鉄道 全線で再開

 台風15号により全線での運転を見合わせていた小湊鉄道は、21日の始発から全線で運転を再開した。

 小湊鉄道は9日の始発から五井(市原市)-上総中野(大多喜町)間の全線で運休。13日夕方以降は一部区間で運転を再開し、不通区間はバスによる代行輸送で対応していた。

 小湊鉄道によると、線路脇の樹木が倒れ信号用ケーブルや高圧電線を切断し、線路への土砂流入も確認された。市原市内を中心に発生した大規模停電により踏切が作動しなかったこともあり、全線での運転再開が長引いていた。


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