2016年10月20日 10:41 | 無料公開

視覚障害者が駅ホームから転落する事故が後を絶たない中、鉄道施設の仕組みを理解してもらい事故を未然に防ごうと、成田市新泉の建設技術総合センターで19日、視覚障害者が参加して鉄道体験会が行われた。普段は触れることのできない線路に降り立ち、転落の際は非常スペースに退避するなどの対応を学んだ。
視覚障害者の転落事故を巡っては、今月16日に大阪府柏原市の近鉄大阪線河内国分駅で、ホームから転落した無職男性(44)が特急電車にひかれて死亡。8月にも東京メトロ青山一丁目駅(東京都港区)で盲導犬を連れた男性会社員(55)が転落し、電車にはねられて死亡する事故が起きている。
今回の体験会は、こうした事故の防止を目的に鉄建建設(本社・東京都千代田区)が協力して実施。駅のホームや線路など、実物と同じ鉄道施設が整備されている同社の研修センターで行われた。
参加した市原市福祉会館に所属する視覚障害者10人は実際にレールに触れ、ホームとの位置関係などを確認。転落した場合、ホームの下に用意された非常スペースに隠れるよう指導を受けた。
センターの担当者は「線路に白杖などを落とした時には、ホーム上の非常停止ボタンを遠慮なく押してください」と呼び掛けた。
千葉日報だけの「社会」記事を見たい方