2020夏季千葉県高等学校野球大会

スペイン風邪の史料発見 地方行政機関の対応紹介 衛生講話、予防注射、ワクチン 睦沢町歴史民俗資料館

スペイン風邪が流行した約100年前の史料を説明する久野さん=睦沢町立歴史民俗資料館
スペイン風邪が流行した約100年前の史料を説明する久野さん=睦沢町立歴史民俗資料館

 約100年前に「スペイン風邪」が世界中で流行した際の地方行政機関の対応を示す貴重な史料3点を、睦沢町立歴史民俗資料館が発見、展示している。当時の長生郡東村(現在の長南町と睦沢町の一部)が、啓発活動とワクチンの予防接種を実施していたことが分かる。

 スペイン風邪は1918年から3年間にわたって拡大したインフルエンザで、世界で2千万人以上、国内でも38万人以上の死者が出た。現在の新型コロナウイルスはスペイン風邪以来の世界的パンデミックとされ、当時の感染拡大の経緯や対策が参考になるともいわれている。

 発見されたのは、いずれも流行の第2波が訪れた1919年1、2月の文書。1点目は小学校で衛生講話を実施する告知で、児童だけでなく、各家庭から1人ずつ参加するよう求める内容。2点目は予防注射の希望人数の取りまとめを依頼するもので「1人7銭」と記されている。3点目はワクチン製造が間に合わず、注射が遅れることを知らせている。

 同館が先月、町内の旧家から寄贈された432点の文書を調査して見つけた。旧家のあるじは当時の区長を務めていたと思われ、村からの公文書が多数残されていて保存状態も秀逸。史料3点はいずれもガリ版刷りで、村の判が押印されている。

 科学も医療も未発達で、情報の伝達も遅かった100年前の史料。学芸員の久野一郎さんは「戦前の地方行政の史料は少なく貴重。村役場が最善の努力をしていたことがうかがえる。一人でも多くの人に見てもらい、知恵と勇気を持ってもらいたい」と話している。

 開館時間は午前9時~午後4時30分(月曜休館)。入館無料。問い合わせは同館(電話)0475(44)0290。


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