診療環境改善に全力
千葉県内の医療機関は、コロナ禍による受診控えで経営的に苦しい状況が続いてきました。ロシアによるウクライナ侵攻の長期化も影響を及ぼしています。会員調査では74%の医療機関で電気料金や医療資材(衛生材料・検査試薬・歯科材料等)が高騰していると回答しており、苦しい経営に追い打ちを掛けられています。保険医療機関の主たる収入は国の定める診療報酬です。地域医療を守るためには地域の開業医が経営の不安なく医療提供に集中できる環境が必要。当会は診療環境の改善に全力を注いでいます。
政府が進める「マイナ保険証」は、医療現場に多大な混乱をもたらしています。会員調査で判明した例として、医療機関の窓口でマイナ保険証を読み込んでも「個人情報がひも付けられていない」「他人の情報がひも付いている」といった事象があり、かつ保険証の持参がない場合は、やむを得ず診察料を10割いただく事例もありました。10割払うことが困難で受診をあきらめて帰宅された事例も発生しています。また、保険証の券面と一部負担割合が違う事例などもありました。当会は、マイナ保険証の検証が不十分な段階での性急な従来の保険証の廃止はやめるよう、政府に求めてきました。
現在の保険証は申請しなくても手元に送られてきますが、政府の当初案では従来の保険証に代わり、本人が資格確認書を申請して取得することになります。体が不自由などの理由で申請に行けない方々や、家族や介護関係者が代理で申請できない場合には無保険扱いになり、受診ができない事態の発生も予想されます。医療のデジタル化の流れは避けられないでしょう。一方で、医療を必要とする方々を誰一人取りこぼさない仕組みは守らなくてはなりません。戦後築いた皆保険制度を守るためにも従来の保険証の廃止は慎重であるべきと考えています。
コロナ禍でワクチンの重要性が広く知られるようになる以前からワクチン政策に取り組んでいます。細菌性髄膜炎のワクチンの定期接種化を実現させ、その後も行政への働きかけを続けています。治療薬のない感染症からワクチンで命と健康を守る大切さを知っていただくセミナーなども積極的に開いています。
開業医を中心に医師・歯科医師4252人が加入し、一緒に活動する当会の特性を生かして歯周病と糖尿病に関する医科歯科連携活動を長年推進しています。また、糖尿病や脳血管疾患などを防ぎ、健康寿命を延伸する研究事業も行ってきました。県内各地域の公民館や企業へ医師・歯科医師を派遣して県民の健康増進に役立つ講演をするなど、さまざな活動に取り組んでいます。
今後も保険医の生活と権利を守り、国民医療の向上と社会保障制度の拡充を目指します。そして県民が保険証一枚でより良い医療が受けられ、地域で安心して自分らしく暮らせるよう、県内各地の医療機関をサポートして地域医療体制を守る活動を推進します。
千葉県保険医協会
◇所在地 千葉市中央区新千葉2-7-2 大宗センタービル4F
◇事業概要 医科・歯科の保険医で構成する任意団体。保険医の診療・経営全般をサポートする事業を展開している。





