◆第三章 反旗(六)...
矢上はフェンスに凭(もた)れて最初の一本を飲み干した。夕暮れの空に妹の好きなピンククラウドが浮かんでいた。矢上は我知らず微笑んで口を開いた。
「妹が看護師学校の寮に入るまで、建設現場で働いてたって言ったろ? たまに飲みに行くぞって誘われたら、若造は断れないわけだ。で、酒が入ると鬱憤(うっぷん)が溜まっているおっさんたちがおっぱじめる。そういう時は、とめようとしたやつが両方からやられて一番痛い目をみるから、とりあえず誰も大怪我をしないうちに早く終わらせなきゃならない。作業員が怪我して何人か足りなくて、残りもみんな二日酔いとかって建設現場、最悪だろ」
この記事は
有料記事です
残り848文字(全文858文字)









