<台風15号>外部検証会議が初会合 「切迫感なかった」本部設置、派遣の遅れ指摘 被災市町に聞き取り

千葉県の防災担当者から当時の対応を聞く検証会議の委員ら=22日、千葉県庁
千葉県の防災担当者から当時の対応を聞く検証会議の委員ら=22日、千葉県庁

 長期にわたる大規模停電や多数の住宅損壊など、千葉県内に甚大な被害を及ぼした9月の台風15号を巡り、初動対応の遅れを指摘されている県は22日、外部有識者による検証会議の初会合を開いた。災害対策本部の設置が台風直撃翌日となったことなどに、委員からは「切迫感がなかった」と辛辣(しんらつ)な指摘が続出。県の情報収集や支援物資供給の体制に対しても、市町村への連絡員派遣が遅れたことなどを問題視する声が相次いだ。

 県庁の内部検証結果を資料にまとめ、議論のたたき台とした。課題は10項目に整理され、この日は県災害対策本部設置▽知事の動き▽情報収集▽物資支援-の4項目について発災直後の対応を検証。委員からの質問に県総務部と防災危機管理部の幹部が答えた。

 県の同本部設置は9月9日の台風15号上陸から丸一日たった10日。県側は、震度に応じて自動的に設置が決まる地震と異なり、強風被害には設置の明確な基準がないこと、停電が早期に解消すると認識していたこと、病院での断水対応に追われていたことなどを遅れの要因に挙げた。

 一方、委員側は気象庁が事前に記者会見で警戒を呼び掛けていた点や、県としても9日時点で翌日の設置を予定していた点に注目。被害の深刻さを予想できたはずで、設置を知事に進言すべきだったと指摘した。

 被害状況の把握では「防災情報システム」に依存していた点が課題とされた。県と市町村などをオンラインで結ぶ情報共有システムだが、市町村側には被害状況入力の余裕がなかった。

 委員側は連絡員の派遣開始が発災4日目の12日だったことを「致命傷」と断じ、連絡員を送っていれば状況把握だけでなく、支援物資の要請にも迅速に対応できたはずと指摘。当初、同システム上の住宅被害が200戸(実際は6万2千戸超)となっていたことを根拠に被害を甘く見積もった県の姿勢には「信じられない」との声が上がった。

 森田健作知事は会議に出席しなかったが、「私自身の行動も含め検証を」と書面で要請。知事は9日に登庁せず、10日は県庁を離れ芝山町の自宅に向かったことが問題視されている。委員らも「県庁にいることが望ましかった」「庁内で指示するのがごく普通の首長のあり方。プライベートで出かけたことは批判されてしかるべき」とした。

 会合後、委員らは鋸南町と南房総市を視察し、各市町職員に聞き取りも行った。

 県は今後、検証会議で上がった意見を踏まえて内部チームでも改めて検証し、年内に中間報告する予定。検証結果は県地域防災計画などの見直しに役立てる。


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