房総通リズム春の観光特集2024

「建物消えれば、歴史壊れる」 情緒ある町復活へ奔走 佐原のNPO法人理事長 佐藤健太良さん(70)【東日本大震災12年】

佐原の町並みについて説明する佐藤さん=香取市
佐原の町並みについて説明する佐藤さん=香取市

 歴史的建造物が立ち並ぶ千葉県内有数の観光地、香取市の「佐原の町並み」は、東日本大震災で大打撃を受け、存続の危機に陥った。日本建築の象徴とも言える屋根瓦の崩落が相次ぎ、江戸情緒の香る町並みは無残な姿に。修復には数々の障壁が立ちはだかり、建物が取り壊される恐れもあった。「建物が消えれば、佐原の歴史が壊れてしまう」。町並みが復活を遂げた裏には、次世代に町並みを残そうと使命感に燃える佐藤健太良さん(70)らNPO法人メンバーによる奮闘があった。(香取支局・中瀬健太)

 2011年3月11日のあの日。家業の金物屋の配達中に震度5強の大きな揺れに見舞われた佐藤さんは、配達を途中で切り上げて佐原の町並みへと急いだ。

 「もうダメだ」。崩れ落ちた瓦の山を目の当たりにし、ショックを受けた。江戸情緒が自慢の町並みは、変わり果てた姿になっていた。

 佐原の町並みは瓦を土で固定した土葺(ぶ)きの建物が多く、経年劣化が進んでいたことなどから屋根瓦の崩落が多発。幸い死者は出なかったが、観光と商業を支える重要資源である町並みの被災 ・・・

【残り 2871文字、写真 3 枚】



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