御宿町、小・中の学校給食を勝浦市へ委託 中学まで搬送に約40分 人手不足、建て替えに財政負担重く 千葉

 千葉県の御宿町は来年度から、学校給食の調理・配送を隣接する勝浦市に委託する。老朽化した調理施設を更新するには財政負担が重く、調理員の人手不足もあり、町は「安定した給食提供を継続するため」と説明。他の自治体への学校給食委託は珍しく、県学校安全保健課は「すべてを確認したわけではないが、県内ではそういった例は聞いていない」としている。

 御宿小・中学校の給食およそ300食を委託する。2014年4月に稼働した同市の学校給食共同調理場は、1日最大1700食を作ることができ、現在の調理量は1200食程度のため余裕がある。来年度からは調理全体の2割が同町分になり、子どもたちは同じメニューを食べることになる。

 町によると、事務委託の町負担金と保護者らから集めた給食費を合わせ、来年度は同市へ約4500万円の支出を見込む。このうち調理量に応じた町負担金は約2700万円程度。本年度の事務経費は約2330万円だった。現在の町学校給食共同調理場は、一部を改修して配送されてきた給食の受け入れ保管場所にする。

 共同調理場は建設から55年が経過して老朽化進行。財政面から建て替え費用の捻出が難しく、都市計画では工場の扱いになるため建設地を探す必要があった。調理員を募集しても応募が少なく、何とか人員を確保している状態。現行の衛生基準に適合していないため、既存施設での委託に手を上げる民間業者は望めなかった。

 近隣のいすみ市への委託も検討したが、同市で調理量を増やせず、配送車両が必要になることから、施設や車両に余裕のある勝浦市と昨年8月下旬から本格的に協議していた。

 調理施設からの搬送は勝浦市が行うことになったが、御宿中まで要する時間は現在の8倍となる約40分。保護者から「温かい給食は食べられるのか」などの質問が町へ寄せられており、町は新しい食器や食缶で対応するとしている。

 自治体間の学校給食事務委託は、茨城県では下妻市が常総市に委託している例がある。


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