津田沼パルコ閉店へ 23年2月末、県内から撤退 開業40年超 「青春時代過ごした」利用客に驚き

2023年2月末で営業を終了する津田沼パルコ=24日
2023年2月末で営業を終了する津田沼パルコ=24日

 JR津田沼駅前の大型商業施設「津田沼パルコ」(船橋市前原西2)が2023年2月末で営業を終了することが24日、分かった。運営会社のパルコ(東京)が発表した。1977年7月に開業。近隣に多い商業施設との競合が続く中、テナントの売り上げは30年前をピークに減少傾向で、建物の賃貸借契約満了(23年5月末)を機に撤退する。利用客は「津田沼の顔だった」「青春時代から通っていた」と寂しがった。

 16年11月に千葉パルコ(千葉市中央区)が営業を終了しており、千葉県内からパルコが姿を消す。

 船橋、習志野の両市と接するJR津田沼駅北口改札から歩道橋デッキで直結している津田沼パルコ。コロナ禍前よりは少ないとはいえ、24日夕も人の流れが続いていた。同日の取締役会で決まったという2年後の閉店。買い物を終えたばかりの近隣住民らは驚きを隠せない様子。

 習志野市の男性会社員(54)は「子どもの頃に開業して都会になったと思った。バブル期にはブランド物を買いに行き、青春の1ページのような場所。今も服やかばんを買ったり、ちょっとしたぜいたくに使っている。近くでは船橋西武も閉店したばかりなのに」と困惑。同市の女性(74)も「街の華やかさの象徴。他店やコロナ禍の影響もあるのかもしれないが、さみしい」と残念がる。

 学校帰りに友達と訪れた女子高校生(17)=千葉市美浜区=も「週3回は来ている」。船橋市の50代パート女性は、この日も地下の食品売り場に寄った帰りで「他にもスーパーはあるが、遠くなる。不便になるのは困る」と跡地の“行方”に気をもんだ。

 駅前の不動産店関係者は「南口側の新興住宅街などの開発で、賃貸物件の需要は大半が南口側になった」と、津田沼エリア内での人の流れの変化を指摘する。津田沼パルコと同じ通り沿いに同じ年に創業した商店主の男性(52)は「コロナで、寄り道しながらの買い物客が減った気がする。私たちも頑張らなければ」とうなった。

 津田沼パルコはA・B両館とも地下1階~地上6階建て。テナントとして計142店舗が入居し、店舗面積は計約4万8千平方メートル。

 パルコによると、テナント取扱高はピークの1991年度に約188億円に上ったが、2019年度は約120億円にとどまっていた。パルコは「地域の皆さんに愛されてきた。残り2年間、しっかり営業していきたい」。跡地利用に関与する立場にはないという。


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