2009年8月13日 17:35 | 無料公開
南房総で「花嫁街道」というロマンチックな呼び名のハイキングコースが人気だ。コース上のピークは標高267メートル。正式な山名は「烏場山」(からすばやま)という。
最寄りの駅はJR内房線の和田浦駅。和田浦はむかしから「花」の一大産地として知られ、真冬のうちから色鮮やかな花が切り花として東京市場に出荷されている。真っ青な太平洋とお花畑。そんな土地柄が「花嫁街道」という洒落た名前をつけたのかも知れない。
登り口には地元の和田浦歩こう会が整備してくれた標識やトイレがある。
緩やかな山道が続き、房総ならではの照葉樹林・マテバシイの純林を見ると展望台がある。ここからは初めて太平洋が望むことが出来る。むかし、山あいの村から烏場山を越えて海のある町に嫁いできた女性たちも、ここから波光ひらめく海を眺めたことだろう。
このコース、実はむかしから生活道路で、ロマンチックな名前もそうした山と海を結んだ生活から生まれたに違いない。マテバシイの林から頂上までは、あとわずか。ピークからは千葉県最高峰の愛宕山、伊予ケ岳、御殿山などが一望でき、暖かな南房総の海原も広がる。
♪♪青い月夜の浜辺には、親をさがして鳴く鳥が・・・。
童謡「浜千鳥」は和田浦が舞台。美しい海岸は今も変わらない。(三木雄三:記)