笠森グリーンルート

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 笠森寺の観音堂からユートピア笠森へと至る約11Kmコースで、一部は現在、我々日本山岳会千葉支部が踏査中の房総半島の分水嶺にもなっている。

 JR茂原駅南口より牛久駅行小湊バスに乗車し、笠森バス停下車。そこからおよそ5分で笠森観音に到着。寺伝によれば延暦3年(784年)に最澄(伝教大師)が楠の霊木で十一面観音菩薩を刻み安置し開基されたとされる古刹で、十一面観音像が本尊であることから「笠森観音」と通称される。大岩の上にそびえる観音堂は、四方懸造り(しほうかけづくり)と呼ばれる構造で、日本で唯一の特異な建築様式であり国の重要文化財に指定されているとのこと。

 登山口は観音堂右側裏手にあり、樹林に囲まれた尾根道のコースは丸太の階段等よく整備されて歩きやすい。しばらく歩いた先の鋼鉄製の展望台からは周囲の山々を見渡すことができる。その展望台そばに桜の木を見つけ、以前聞いた笠森が桜の名所であることを思い出した。さらに歩くと笠森霊園の敷地を左眼下にみるあたり、右手より房総半島の分水嶺である尾根と合流する。それは教えてもらわなければわからない程の房総丘陵独特の特徴のない尾根であった。裏返せばこの踏査には高い読図の能力が要求され、分水嶺踏査に携わる会員の苦労が想像できた。

 「らくだの背」と呼ばれる地点からは細かなアップダウンが始まる。途中、何組かのグループとすれ違い、想像していたよりも訪れる人の多いことに驚く。市民の手軽なコースとなっているのかも知れない。

 展望のない「百山望」を過ぎたあたりからはアップダウンの差は次第に大きくなり、さすがに多少汗ばむが、緑豊かな木立と柔らかな地面はとても歩きやすく心地よい。

 コースは一旦車道まで下り、横断したところにあるユートピア笠森に向かうコースを上る。そこから蔵持ダムの右手を回り込んだ先にユートピア笠森がある。しかし、現在は休館中で「東日本大震災」の避難所となっていた。そこで、その先の野見金公園で休憩後、平田バス停より茂原駅行の小湊バスに乗車、茂原駅に戻った。(記:谷内 剛)