余った食パンビールに変身 食品ロス削減へCFで開発 川島屋×幕張ブルワリー

完成した商品を手にする田代代表(左)と川島社長=千葉市美浜区
完成した商品を手にする田代代表(左)と川島社長=千葉市美浜区
完成した「パンビール」と「ビアフルーツブレッド」
完成した「パンビール」と「ビアフルーツブレッド」

 県内でパン店を展開する川島屋(千葉市花見川区)とクラフトビール醸造所を営む幕張ブルワリー(同市美浜区)が実行委員会を立ち上げ、余った食パンを原料とした発泡酒「パンビール」を実験的に製造した。発酵過程で出た澱(おり)を活用したパン「ビアフルーツブレッド」も開発。クラウドファンディング(CF)で資金調達し、完成したビールとパンを支援者140人に贈った。今後は同実行委への参加事業者を増やし、食品ロス削減の幅を広げる考えだ。

 川島屋によると、同社の食品工場は1日当たり約100キロ~200キロの余剰パンが出ており、養豚場の餌の原料として資材企業に提供していた。一方、2017年に発足した幕張ブルワリーも新しい製品を模索していた。

 千葉市のシェアリングエコノミー推進事業を受託する幕張PLAYが、こうした事情を抱える両社を引き合わせ、両社は実行委員会「Chibaアップサイクルラボ」を結成した。アップサイクルは、廃棄物にデザインやアイデアを加えることで別の商品にアップグレードすること。両社は、余ったパンをビールにアップサイクルする試みを企画した。

 CFは昨年10月15日からの1カ月間で設定した目標額80万円に対し、約87万5千円が集まり計画を実行。川島屋は、醸造しやすいよう食パンを砕き乾燥させて幕張ブルワリーに提供。幕張ブルワリーは、パンだけだと醸造の過程でふやけて溶けてしまうため、もみ殻を絡める工夫をした。結果、20キロの食パンが500リットルのビールに生まれ変わった。

 発酵段階で出た澱も無駄にせず、パン生地に混ぜてアップサイクル。苦みを抑えるため、レーズンなどをふんだんに使ったフルーツブレッドが誕生した。

 完成品を味わったCF支援者からは「おいしい」と好評。ただ、せっかくの“コラボ”にもかかわらずパンビールにはパンの、フルーツブレッドにはビールの風味を強く感じないといった課題もあり、商品化にはまだまだ改良の余地があるという。

 それでも、川島屋の川島隆弘社長(42)は「どんなビールになるか、わくわくした。ビールをパンにもう1回展開させるのは面白い取り組みだった」と手応えを実感。幕張ブルワリーの田代圭代表取締役(45)は「日常のちょっとしたことがアップサイクルになることを知ってほしかった。今後は協力事業者を増やし、(廃棄される)マンゴーやトマトなどパン以外でも挑戦したい」と意気込んだ。


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