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車の冠水被害に注意! 昨秋の房総豪雨で犠牲者も 専門家「移動短く早め対応」

冠水した道路を走行する車=昨年10月25日、佐倉市(画像は一部加工してあります)
冠水した道路を走行する車=昨年10月25日、佐倉市(画像は一部加工してあります)

 本格的な大雨、台風シーズンが到来し、九州では熊本県南部を襲った豪雨で甚大な被害が出ている。千葉県内でも昨秋の房総豪雨の際、車で避難中だった人らが犠牲になっており、日本自動車連盟(JAF)千葉支部は車の冠水被害への注意を呼び掛け、専門家も移動は短い距離で風雨が強まる前の対応が必要と指摘している。
 
 昨年10月25日の房総豪雨では、県内各地で河川が氾濫して道路冠水が発生した。同支部によると、同日から3日間で県内のロードサービス出動要請件数は、前年同期比1・75倍の2112件に上った。

 房総豪雨では県内で11人が亡くなり、5人が車で移動中だったとされる。一宮川が氾濫した長柄町では、車で避難中に水没したり、子どもを迎えに行く途中で濁流に巻き込まれたとみられる男性2人が死亡した。県警などによると、2人からは「車の中に閉じ込められて動けない」「車が浮いて流されている」と家族に連絡があったという。

 静岡大防災総合センターの牛山素行教授は台風19号(昨年10月12日)と、約2週間後の記録的豪雨について分析。総務省消防庁が昨年12月2日時点で死亡・行方不明とした101人のうち、屋外にいたのは60人で、そのうち36人は車内で被災したとみられるとした。

 「車は安全な気がするかもしれないが、洪水時は簡単に流される。徒歩に比べて周囲の危険に気付きにくいこともある」と牛山教授。「移動が必要な場合、できるだけ距離を短くし、雨風が激しくなる前の行動が鉄則だ」と指摘する。

 実際に車が冠水したら、どう対処したらいいのか。JAFが車の水没を想定して実施した実験では、水深60センチでセダン車の後輪が浮き上がり、水圧で内側からドアを開けることができなくなった。水圧の影響を受けにくいとされるスライド式のドアも、開けるのに通常の3倍以上の力を要したという。

 車の前部が水に漬かった状態の場合、水圧の影響を受けにくい後部座席のドアから脱出するか、完全に水没して車内外の水圧差が小さくなってから車外に出ることも可能だという。

 同支部の担当者は「アンダーパスなど水がたまりやすい場所は迂回(うかい)して通行してほしい」と説明。「身を守るためにも、窓ガラスを割ることができる脱出用ハンマーを車内に常備することも推奨する」と話している。


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