<千葉豪雨>孤立の幼稚園に“救世主” 国内に2台の水陸両用車が初出動、園児ら救出

後ろの荷台に児童をのせ、幼稚園から冠水地帯を経て救助本部の拠点まで帰ってきた水陸両用車=25日午後8時20分ごろ、山武市(山武郡市広域行政組合消防本部提供)
後ろの荷台に児童をのせ、幼稚園から冠水地帯を経て救助本部の拠点まで帰ってきた水陸両用車=25日午後8時20分ごろ、山武市(山武郡市広域行政組合消防本部提供)

 25日夕方、千葉県山武市雨坪の同市立日向小学校と隣接する日向幼稚園では近くを流れる作田川からあふれ出た水で周辺道路が冠水し、一時児童と園児ら計218人が孤立した。一帯を管轄する山武郡市広域行政組合消防本部の水陸両用車が初出動し、園児らを救出。同両用車は5月に配備されたばかりで、国内に2台しかないうちの1台という。

 米国製で全長4・93メートルの水陸両用車はキャタピラとスクリューがあり、不整地や泥の中、水上も走破可能。後ろの荷台と車内に6~8人が乗れる。同本部と徳島県の消防組合の2団体が総務省消防庁から配備されていた。

 市によると、25日は早朝からの大雨で水位が上がっていた作田川は下校時間だった午後4時ごろ、突如堤防を乗り越えた。学校と幼稚園は高台にあり難を逃れたが、前の道路2カ所が最大で水深1・5メートルほど水没し脱出不可能に。迎えの保護者も近づけない状態になった。

 市の出動要請を受け水陸両用車は午後6時半に救出を開始。冠水を乗り越えながら、園児57人と職員7人を8回に分けピストン輸送し、午後9時9分に作業を終えた。一方、取り残されていた児童らは周辺の道の一本が開通したため保護者らが救出。いずれもけが人はなかった。

 同本部によると、水陸両用車は今回が初出動。担当者は「普通の車が近づけない場所だったがこれだけたくさんの子どもたちを救出できた。すばらしい働きをしてくれた」と話した。


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