2020年4月8日 05:00 | 無料公開

無断キャンセルされたテークアウトの商品(男性店長提供)
テークアウトの商品を客が取りに来ない-。新型コロナウイルス感染拡大で外食産業が厳しい状況の中、持ち帰り商品の販売に力を入れている飲食店で無断キャンセルのトラブルが発生した。被害に遭った店舗は「防ぎようがない。コロナの影響でポジティブになれない中、さらに悲しい」と嘆いている。
市川市のイタリアンレストランでは、通常営業に加えて手作りのオムライスやステーキ丼などのテークアウトを実施し、電話でも予約を受け付けている。
同店の男性店長(36)によると、6日夕、若い女性の声でテークアウトの注文が入った。女性はオムライスなど10個を注文。しかし、受け取り時間が30分過ぎても女性は現れず、折り返した電話は男性の声で身に覚えがないという。商品の合計は1万円以上だった。
客の名前と電話を復唱し、確認したという男性店長は「注意はしていたが、気を付けようがない。注文の際にこちらから折り返しの電話で確認もできるが、お客さんが嫌がる可能性もある」とため息。その後SNSで被害を訴えたところ、状況を知った客が購入。注文商品は数分で完売したという。
できたての料理を食べてもらうため、受け取り時間を決めて持ち帰ってもらっているという男性店長は「店側にはどうしようもない」と訴えた。今回のようなケースは業務妨害の罪に当たる可能性があり、適用されれば3年以下の懲役か50万円以下の罰金に処される。
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