「雨抜けない粘土質」 千葉・市原で国交省専門家 土砂崩れ現場調査 【房総豪雨1週間】

土砂崩れの現場を調査した国交省の専門家ら=31日午前11時35分ごろ、千葉市緑区板倉町
土砂崩れの現場を調査した国交省の専門家ら=31日午前11時35分ごろ、千葉市緑区板倉町

 先月25日の記録的豪雨による土砂崩れで死者が出た千葉市と市原市の現場3カ所を31日、国土交通省の土砂災害専門家が調査した。調査の担当者は現場について「降った雨が抜けない土質。台風19号の雨と重なり、(多くの雨を含んだ)斜面が重しとなって崩れたのでは」と分析した。千葉県集計で、土砂崩れを原因とする県内の死者は4人、住宅全壊は10戸に上る。豪雨からきょう1日で1週間。改めて対策強化が求められる。

 土砂崩れの発生メカニズム調査のため、県が国交省に派遣を依頼した。専門家のチームは、住民計4人が亡くなった千葉市緑区の誉田町と板倉町、市原市郡本の3カ所を巡り、土質を目視したり手で触ったりして調べた。

 調査後に県庁で報道陣の取材に応じたチームメンバーで同省国土技術政策総合研究所の中谷洋明氏は、3カ所とも共通して「粘土質で、降った雨が抜けない。(地形は)水が集まりやすい」と指摘。豪雨から6日後のこの日も、まだ土砂が水分を多く含んでいたという。先月12日の台風19号による雨も、2週間程度では抜けなかった可能性があると分析した。

 中谷氏は県などに助言を続けるとしつつ、裏山が水分の多い土質だったり、湿性植物が生えていたりしないか、住民自身も気を付けることが重要と付け加えた。

 今回の豪雨では、県内で計11人の死亡(関連疑いの1人含む)が判明。県の31日現在の集計では、死者のほか、重傷1人、軽傷3人。市原市では土砂崩れにより車が横転し、60代男性が打撲や擦り傷を負った。

 住宅被害は計2463戸で、うち全壊がいずれも土砂崩れによって10戸。大網白里市でも全壊1戸が判明した。半壊は4戸、一部損壊が23戸。床上浸水は1320戸、床下浸水も1106戸に上る。このほか、倉庫や小屋など住宅以外の建物被害も全壊11棟、半壊2棟、一部損壊19棟。

 県は豪雨に見舞われた先月25日夕から災害対策本部の人員態勢を強化していたが、同30日夕に縮小した。


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