冷房停止、入所者ぐったり 電気使えず職員も疲弊 市原の特養 【台風15号】

風の当たるエレベーターホールにベッドごと移動して過ごす入所者=12日午後0時半ごろ、市原市の特別養護老人ホーム「トータス」
風の当たるエレベーターホールにベッドごと移動して過ごす入所者=12日午後0時半ごろ、市原市の特別養護老人ホーム「トータス」

 エアコンが停止した。頼りは自然の風。昼夜問わず窓を開け放した室内では、風通しの良い場所を探して寝たきりの入所者をベッドごと移動させる。暑さでぐったりする人もいる。入所者の健康状態はもちろん、職員の疲労も限界に近づいている。

 市原市鶴舞の特別養護老人ホーム「トータス」(斎藤武施設長、入所定員80人)。9日未明の停電でエアコンがストップして以降、出力の小さい発電機で扇風機を回して暑さをしのぐ日が続く。

 厳しい暑さとなった11日、室温は30度以上に。ホームではこまめな水分補給を心掛けているが、それでも体調を崩し発熱する人も。氷で体を冷やし熱中症を防いだという。

 夜間はランタンを使用、職員はヘッドライトで介護に当たる。個室のナースコールも作動しない。見回り回数を増やし、入所者に異変が起きていないか、細心の注意が必要だ。

 地下水をくみ上げるポンプも動かない。飲み水や生活用水は隣接する老人保健施設から分けてもらっているが、エレベーターが止まった施設内を4階まで運搬するのは重労働だ。

 長引く停電。「風呂にも入れない」と訴える入所者の男性(91)の声は切実だ。斎藤施設長は「不安を感じる入所者がいるかもしれない。職員の疲労も心配」と一刻も早い復旧を待ち望む。

 12日夕、ホームに総務省の災害対策用移動電源車が到着した。だが、利用できる電力には限りがある。賄えるのは冷蔵庫と扇風機の電源、厨房(ちゅうぼう)の照明のみだという。


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