【千葉県民の日特集】 パリ五輪出場へ鍛練 市船橋高3年 三田歩夢さん

三田歩夢さん
三田歩夢さん
米国で開かれたワールドカップに参加する三田さん(日本山岳・スポーツクライミング協会提供)
米国で開かれたワールドカップに参加する三田さん(日本山岳・スポーツクライミング協会提供)

 スポーツクライミング(スピード競技)日本代表で、船橋市立船橋高校3年(商業科)の三田歩夢さん(17)は、東京五輪に出場した世界トップクラスの選手の技術を目の当たりにして「自分も大舞台で登りたい」とモチベーションが上がったといい、「パリ五輪出場を目指す」と厳しい練習に汗を流している。

 スピード競技は、高さ15メートルのクライミングウォールなどで、あらかじめホールドの配置が周知されたコースをどれだけ早く登れるかを競う。

 三田さんは小学校4年生のとき、地元にあったクライミング施設に興味を持ちスポーツクライミングに挑戦。登り切ったときの達成感に魅せられた。元々運動好きで、サッカーや水泳に打ち込んだ時期もあったが「一心に壁と向き合って技術を磨くスポーツクライミングが性格にマッチした」と振り返る。それからはジムに通って技術を磨き、大会にも出場。中学校1年で県のジュニア強化指定選手になった。

 2016年に東京五輪の追加種目としてスポーツクライミングが採用された際は五輪出場など夢にも思わなかった。だが昨年、東京五輪で躍動する世界トップクラスの選手を見て「圧倒された」一方で「自分も五輪に出場したい」と闘志に火が付いた。

 鍛練を重ねて迎えた今年3月6日の「第2回スピードユース日本選手権大会」。コンディションが調わず「割り切って自分との戦いとして挑んだ」ことが好結果につながり、ユースA決勝では6・20秒と同クラス新記録で頂点に立った。同日開催のシニアも参戦する「第4回スピードジャパンカップ」では代表標準記録を突破。日本代表として5月に米国で開催されたワールドカップに出場した。

 世界を相手に戦うには競技後半に失速する弱点の克服が必要。現在はスタミナ強化に重点を置いてレベルアップを図っている。「国際大会で活躍し、パリ五輪の出場切符を手にしたい。大舞台に立つ姿を今は想像できる」。東京五輪は、若きアスリートに夢と希望というレガシーを残した。


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