【千葉県民の日特集】 一躍、人気移住地に 安全で快適な生活へ整備 一宮町

五輪で初めてサーフィン競技の会場となった一宮町の釣ヶ崎海岸=2021年7月20日
五輪で初めてサーフィン競技の会場となった一宮町の釣ヶ崎海岸=2021年7月20日
19年にオープンしたJR上総一ノ宮駅の東口。五輪会場となった釣ヶ先海岸方面へのアクセスが向上した
19年にオープンしたJR上総一ノ宮駅の東口。五輪会場となった釣ヶ先海岸方面へのアクセスが向上した
一宮町の観光拠点となる施設「上総一宮観光案内所」
一宮町の観光拠点となる施設「上総一宮観光案内所」

 一宮町は、町内に都内方面へ向かう快速電車の発着駅を有することや、豊かな自然や点在するサーフポイントが移住者を引きつけ、人口増加を続けてきた。東京五輪の会場となったことでさらなる人気移住地に発展。町は安全で快適な生活環境の整備を急いでいる。

 豊かな自然が残る町中心部にあるJR上総一ノ宮駅では都内方面と結ぶ快速電車が発着。JR千葉駅まで約40分、JR東京駅まで約90分と都市部への通勤を可能にしている。

 人口は1980年の1万人超から2022年は1万2千人超まで増加。全国的に少子化が問題となる中、釣ヶ崎海岸に近い町立東浪見小学校は、09年の児童数91人から20年には149人まで増えた。

 町が19年度に行った転入者の男女281人を対象にしたアンケートでは、10~30代の若い世代が173人と半数超を占めた。転入の理由は▽豊かな自然環境▽サーフィンができる▽住居費用が手頃▽都心への好アクセス―の順で、町の魅力を裏付ける結果となった。

 東京五輪のサーフィン会場に選定後は、これまで以上に県内外から多くのサーファーが訪れるようになった。コロナ禍で注目を浴びたアウトドアやリモートワークも後押しして海沿いのエリアはおしゃれな住宅やサーフショップなどの建築ラッシュとなり、「空き地はほぼなし」と町の担当者。元々サーフタウンを形成していた飲食店や住宅と調和し、南国リゾートのような雰囲気が増した。

 地価も上昇。2021年7月1日時点の地価調査(基準地価)で同町の上昇率は住宅地2・6%、商業地は7・3%と県内トップを記録した。

 町内の住宅や商業施設の整備は民間の力がメイン。町は持続的な発展へ作戦を練る。海岸線はサーファーらでにぎわう一方、町中心部には波及効果は少なく、町は1200年以上の歴史を持つ玉前神社や、桜やホタルの観賞スポットとして知られる洞庭湖など、歴史や自然を全面にした観光客の回遊を狙う。

 また、インフラ整備にも力を入れる。町内を流れる一宮川は過去に氾濫した経験があり、大型排水ポンプの改修に迫られている。町の将来を担う子どもを育てる小学校の給食室、生涯教育を担う中央公民館の老朽化も進む。町の担当者は「町民が安心して暮らせるため災害対策、教育に力を入れたい」と、東京五輪の有形無形のレガシーを町の発展につなげていく考えだ。


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