幕張新都心に水族館を 市民有志ら誘致活動 周辺ホテル「集客期待」 千葉県と千葉市へ嘆願書

住民らが水族館の候補地として想定している県有地(ZOZOマリンスタジアムの奥)。右は幕張メッセと駐車場=千葉市美浜区
住民らが水族館の候補地として想定している県有地(ZOZOマリンスタジアムの奥)。右は幕張メッセと駐車場=千葉市美浜区

 千葉市美浜区の幕張新都心地区で、地元の市民有志らが水族館を誘致しようと動き始めた。「生物と向き合い環境を学べる市のシンボル的な施設になる」と、SDGs(持続可能な開発目標)の視点から施設の意義を強調する。集客の目玉施設との期待もあり、新型コロナ禍で打撃を受けている同地区のホテル6施設は連名で「年間を通して安定した集客が見込める観光施設が必要」として、千葉県と千葉市に水族館誘致の検討を求める嘆願書を提出した。設置場所は東京湾沿いの県有地を想定している。

 活動の中心になっているのは、市の観光大使の経験がある小亀さおりさん。同大使を契機に幕張の浜の清掃活動に取り組んできた。「幕張の浜は他の海辺に比べて整備が遅れ、事故も発生している。住民が声を上げていくべき」と考え、東京湾の魚や浜に流れ着いたごみを展示することで住民らがSDGsを意識できる水族館を構想した。

 既にボランティア団体「Aqua Dream Project(アクア・ドリーム・プロジェクト)」を有志と立ち上げ、活動を本格化。次代を担う若者たちと清掃活動を続けながら、行政や企業、住民たちを結び付けて誘致の機運醸成を図るつもりだ。「水族館は市内外からの来訪者や滞在者も楽しめる。幕張新都心を多様性があり、持続可能な街にしていきたい」と話した。

 集客施設としても熱視線が送られている。幕張新都心ホテル協議会が熊谷俊人知事と神谷俊一市長に宛てて出した嘆願書は、コロナ禍を受け幕張メッセでの大規模コンサートや展示会の実施が縮小傾向にあり、ホテル経営が不安定になっていると記載。「海辺のリゾート地は多くの場合、水族館が中心になっている」と指摘した上で、八景島シーパラダイスや新江ノ島水族館など複数ある神奈川県に対して「千葉県は鴨川にしかない。幕張新都心はポテンシャルを持っている」と水族館開業を求めた。

 取りまとめたアパホテル&リゾート東京ベイ幕張の藤井力也総支配人は「水族館は海辺のリゾート地として集客の核になる施設。幕張メッセとの相乗効果も期待できる」と説明。候補地としてZOZOマリンスタジアムに隣接する県有地を挙げ「海辺全体の整備につながる」と訴えた。

 誘致を巡っては、同地区の企業などでつくる幕張新都心まちづくり協議会や幕張ベイタウン商店街振興組合、幕張ベイタウン自治会連合会も賛同。同組合の山根治仁理事長は「地域活性化の施設として期待している。多くの客が商店街まで回遊するようになってほしい」と述べた。

 県や市によると、同地区を開発した県企業庁の解体に伴い、2019年度から同地区のまちづくりの主体が県から市に移っているという。県観光企画課は水族館誘致の動きについて「幕張新都心のまちづくりに関わることは千葉市で進めてもらうことになっているので、県としては市の状況を注視していく」とコメント。市幕張新都心課は「嘆願書を受け取っているが、市として何かすることは考えていない。(住民の動きについては)特にコメントする立場にない」と述べた。


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