トマト移動販売、枝豆はネットで 新規開拓へコロナ禍の挑戦 船橋の若手農家

三須トマト農園の移動販売車と利用客=4月下旬、船橋市西船4
三須トマト農園の移動販売車と利用客=4月下旬、船橋市西船4
かまくら農園がネット販売する枝豆。今の品種「福だるま」は送料・税込みで500グラム1480円(同農園提供)
かまくら農園がネット販売する枝豆。今の品種「福だるま」は送料・税込みで500グラム1480円(同農園提供)

 長引くコロナ禍で飲食店向けの食材需要が落ち込む中、船橋市内の若い世代の農家が、車での移動販売やインターネット通販で販路開拓に乗り出している。

 同市西船・印内地区で「三須トマト農園」を営む三須一生さん(43)は、4月16日から、市西船橋出張所付近の一角を借りて移動販売車を止め、午前10時~午後1時に週5日(火・土曜日以外)、新鮮な自家製トマト各種を売っている。

 農園近くに直売所も構えるが、自慢の味をもっと知ってほしいと、駅に近く、屋外で換気も十分なこの一角に出張した。スーパーマーケットでの地元野菜の取り扱いは広がりつつある一方、コロナ禍で営業時間や客が縮小したレストランへの販路は狭まっており、仲間の農家の産品も一緒に並べて販売。観光客が減った沖縄県石垣島から空輸したパイナップルも扱う。

 船橋市印内の「かまくら農園」では、千葉県にコロナ緊急事態宣言が再発令されていた今年1月、インターネットでの野菜の通信販売に乗り出した。4月29日からは、早くも収穫時期を迎えた主力の枝豆をネット通販の品目に加えた。旬が異なる8種類もの枝豆を生産しており、収穫は11月中旬まで順次続く見込み。

 同農園の鎌倉優希さん(30)によると、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響を受け、枝豆も料亭やデパート向け需要は低迷し、市場取引価格が落ち込む傾向にある。通販は、購入時に密や接触を回避できる点もアピールできる。

 三須さん、鎌倉さんは共に代々続く農家に生まれた一方で、サラリーマンなど別の仕事を経て農業に取り組んでいる。丹精込めた産品をより多くの消費者に届ける新たな手法として移動販売やネット通販に挑む。


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