「まぁ、これが“ジャガースタイル”だから」 音楽的ルーツにボブ・ディラン 【ロングインタビュー ジャガー城より愛を込めて…】<3>

  • LINEで送る

 ―謎の多いジャガーさんですが、やっぱり一番気になるのは音楽的なルーツ。影響を受けたアーティストと言うと?

「若い頃はビートルズ、ローリングストーンズ。日本人だと吉田拓郎。ただ好みが少し変わってきて、今はやっぱりボブ・ディラン、それとマーク・ノップラーかな。変わらずにずっと聴いているのはボブ・ディラン。そういう人、多いですよ。ボブ・ディランはみうらじゅんも大好きだし…」

 ―パンク系かと思いきや、わりとメッセージ性の強いフォーク系ミュージシャンですね。

「パンクとかは、あんまりやらないですね。それに、今ビートルズとか聴いても全然感動しない。若い頃はすごく好きだったんだけど、大人になると変わってくるね。でもボブ・ディランはいつ聴いても普遍的な感じです」

 ―もともと楽器は、何をメーンに演奏されていたんですか?

「いろいろやりましたが、ギターが中心でしたね。ピアノもずっと持っていたけど、場所を取るから処分しちゃいました。今は曲もシンセで作りますから、生楽器はあまり使わないです。いわゆるデスクトップミュージック(DTP)ですね。でも、部屋ではギターで音を出して雰囲気をつかんで、それからDTP。今はここジャガー城・天守閣の4階で録音していて、リズム体を作ったり、音を重ねたりしていきます。昔はボーンスタジオを持っていましたから、バンドの連中を集めて、いろいろな楽器を録音していましたが、今はもう100パーセント自分ひとりで」

 ―「千葉日報ニュースβ」を収録したこのスタジオではなく、上の階で録音されるんですか?

「そうです。上の階は(機材が)ここよりもっとすごいですよ」

 ―機材に関しては、放送局レベルの相当な投資をされたとうかがっていますが…。

「昔はね。何千万円もする機材も持っていました。今はそんなにお金がかからないですけどね。安くなりましたよね。数十万円でいろんなものが買えますから、昔の100分の1くらいの予算でできますね」

 ―バンドとして活動した時期は長かったんですか。

「そうですね。ドラム、ベース、ギター、シンセ。バンドでやっていたのはロック系。アルバム『ジャガークエスト』を聴いていただければわかりますけど、ああいう感じの音でした」

 ―音楽のルーツは、フォークやメロディアスな楽曲、歌詞にメッセージ性が強いミュージシャンのようですが…。

「洋楽の音が好きだったから、英語の歌詞ってあまり理解できなかったんですよね。誰でもティーンエイジャーの頃ってそうだと思うけど、言葉の意味よりも音のフィーリングで聴いていました。英語の響きは好きだったけど、歌詞で飛びついて、というアーティストはいなかったね。歌詞というより、曲の全体像として好きになっていたかな」

★衣装は「MADE IN ジャガー星」

 ―ジャガーさんと言えば、ゴージャスな衣装。被服関係の実業家という仮の姿をお持ちなだけに、得意分野かと想像してしまいますが、ご自分で作られたりするのですか?

「これはほとんどがジャガー星から仕入れたものです(笑)」

 ―そうなんですか! 生地はてっきりユザワヤあたりでと…。

「そんなとこ行くわけないじゃないですか(笑)!! あれは“一般の方”が買う生地屋さんですから。そんなとこ行かないですよ(笑)」

 ―スタジオの棚に林立するブーツも気になっているのですが、何か好きなブランドとかお気に入りのお店はあるんですか?

「靴に関しては全部特注で、一般のブランドがどうとか、こだわりは一切ないですね」

 ―マントもたくさん並んでいて壮観ですが、衣装デザインはご自身で?

「そうです」

 ―ファッションのテイストは、音楽を始めた当初からこのスタイルだったのですか?

「そうですね。大体」

 ―一見、ファッションはスタッズ使いでパンクっぽいけれど、音楽的には決してパンクじゃない。そこは、あえてのギャップなのでしょうか?

「ギャップでもないと思うけどね。まぁこれが“ジャガースタイル”だから(笑)」

★最近気になるのはパッセンジャーズ

 ―「ロックは死んだ」と言われて久しい昨今、日本ではダンス系ミュージックやアイドル全盛で、すっかり時代が変わった感がありますが、今のミュージックシーンについて、どう思われますか?

「最近あんまり音楽で感動しないね。ああいう類いのものは全然ついていけないし、内容的にピンと来ない。参考のために最近の音楽もいろいろ聴きますけど、J-POP、J-レゲエ、J-ラップ…全然ピンと来ないね」

 ―最近の音楽業界で、気になるアーティストはいますか?

「イギリスのパッセンジャーズは、最近いいなと思ってる。あとは、う~ん…(長い間)…あんまりすごいのは無いなぁ」

★PV制作、そして映画出演

 ―「ファイト!ちば」は趣旨が趣旨なので当然ですが、「ロンリープラネットボーイ」など、歌詞の中には千葉への郷愁、ふるさと意識が色濃く感じられます。千葉への思い入れというのは、強いのでしょうか。

「特にないですけどね、たまたま千葉ってだけで。でも大体、“千葉のジャガー”とかよく言われますよね(笑)。あんまり(千葉に)こだわってるつもりはないです」

 ―何かモチーフとしてこだわっているものってありますか? 家族とか…。

「いや、家族はたまたま『ロンリープラネットボーイ』がそういう曲というだけで…その時々の自分の感情でいろいろテーマを考えて作るんで」

 ―今、音楽以外に何か興味のあるテーマってありますか? 過去には映画にも出演されていましたが。

「いや~、映画は当面ないですね。でもあの映画の撮影は面白かったですよ。『ロンリープラネットボーイ』のプロモーション映像は、あの映画のものを使っているんです」

 ―「だまってジャガーについてこい」のプロモ映像に出てくる怪獣は非常にシュールですが。

「あれは河崎実監督がやってくれたんですよ。雑誌に掲載するからということでビデオを撮ったんですよ。『だまってジャガーについてこい』のPVは2編あるんです」

 ―最後に怪獣がだまってついていきますよね、曲の題の通り(笑)。あれは監督のイメージですか? ジャガーさんはあのPVの意図は理解できたんでしょうか。

「あれは完全に河崎監督が勝手に作ったものですよ。ただ、ビデオの編集はうちのスタジオでやったんだよね。撮影は向こうだけど、うちは映像のスタジオ機材も、放送局と同じくらいのものを全部持っていたんで、そこに監督が来て作りました」

 ―「ハロー・ジャガー」は、サイケデリックな映像効果が入っていますよね。あれは、ジャガーさんが感覚的に好きなものですか? 何かイメージしている世界観があるのでしょうか?

「いやぁ、世界観とかはないけど、いわゆるシュールというか、非現実的なイメージを出そうとしていますね」

 ―ボーカルについても、エフェクトを多用されていますが。

「基本的にボーカルにはリバーブとエコーをかけます。あんまり生声で歌ってもつまらないので、面白いだろうということで特殊効果をかけます」

<4>に続く