テレビ枠を買い取り5分番組「ハロー・ジャガー」 【ロングインタビュー ジャガー城より愛を込めて…】<2>

 ―ジャガーさんの音楽業界での人脈のすごさは伝説たるゆえんですが、今40代くらいのバンド世代が若い頃、千葉でジャガーさんのお世話になるのがステータスだった、と聞いたことがあります。

「うん、あの頃はバンドやってる子がいっぱい集まってきましたよ」

 ―X JAPANのhideさんはジャガーさんが経営する看板屋さんで働いていたなどのエピソードがありますが、当時のジャガーさんは、千葉のミュージックシーンでどんな立ち位置だったのでしょうか。

「う~ん、有名人だったんでしょうね。だからバンドをやっている連中がよくアルバイトに来ましたよ。当時はジャガーカフェというライブハウスをここ(ジャガー城)の地下でやっていたんです。氣志團の綾小路翔くんがアルバイトの面接に来たんだけど、その時はことわっちゃった(笑)」

 ―音楽を志す若者たちとしては、千葉のミュージックシーンを象徴するジャガーさんに近づきたいという意識だったんでしょうか。

「そうだろうね。うん」

 ―大槻ケンヂさんもいらしたというのは。

「あれは(某新聞の記者が)聞き間違えて記事にしたんじゃないかな。大槻ケンヂはテレビ番組やライブで何回か一緒になりました。筋肉少女帯とはバンドの付き合いですよね。大槻ケンヂのテレビ番組にゲストで出たこともありました」

★経済的自立を果たしたロッカー

 ―ジャガーさんと他のアーティストとの大きな違いは、起業されて経済的に自立し、音楽を作る環境を自力で整えているところ。自らのペースで発信していくという立ち位置が確立されています。自身が納得できるまで作品を追求できるというスタイルは、他のアーティストにはなかなか真似できないことだと思うのですが。

「そうでしょうね」

 ―これは、音楽を志した当初から目指したスタイルなのでしょうか。経済的に自立しながら音楽を続けるということを、最初から思い描いていたのでしょうか。

「いや、そんなことないけどね。若い頃からバンドとかやっていたけど、結局、商売をしてだんだんに余裕が出ると、できることがだんだんデカくなる。最初はインディーズのレコードを出して、テレビコマーシャルをテレビ東京、テレビ神奈川、千葉テレビで流してたんですよ。25年くらい前のことです。そのうちに千葉テレビから番組をやらないかという話になって、『ハロー・ジャガー』ですね。あれがかなり効いたんだよね。テレビ東京のCMなんて15秒ですか。その点、千葉テレビだと5分番組だったから、やってみたところがすごく反響があって」

 ―当時、自分でテレビの枠を買って音楽番組を放映するというミュージシャンは、他にいましたか?

「いないだろうね。あんまり聞かないよね。自分は、たまたま千葉テレビの担当者と話して決まったんで」

 ―番組を始める前のジャガーさんの中には、俗に言う「ミュージシャンになりたい」という気持ちがあったのですか?

「いや、ミュージシャンですよ、もう。ミュージシャンなんだけど、自分の作品をやっぱり皆さんに聴いていただきたいとか、ヒットさせたいとか、そんな感じかな。でもバンドばっかりやっていても宣伝にならないから、テレビが一番いいんじゃないかと。だけど、ラジオも話があったんですよ。ニッポン放送とかね、そっちもやろうかという話になったんだけど、テレビを長くやっているうちに、ちょっとやる気が無くなって…。うちが所属していたレコード会社もおかしくなっちゃって、その時にバンドも全部辞めちゃったんですよ。それが10年近く前のことですね。その後ブランクがあったんです」

 ―なるほど。

「それでまた千葉テレビでやろうかという話になって、ちょうど『ファイト!ファイト!ちば』キャンペーンをやるというんで、じゃあテーマ曲を作っちゃおうかと。それで、あの曲が結構話題になって、ビクターからCD化されたわけですね。(千葉テレビでも)じゃんじゃんCMみたいに流してくれたんですよ」

★ネット配信の時代に

 ―現在はインターネット上で番組配信されていますね。いつ頃から始めたのですか?

「3~4年前じゃないかな。ただ、最初はUstreamとかソフトがちゃんと動かなくて、何とか動いた頃にやっと。よく原因がわからないんですが、今はニコニコ動画が何とか動いているかな。毎週何とか、2つくらい動いてますね。先週はUstreamとニコ動」

 ―今のネット社会では、ジャガーさんのようにお金をかけなくても自分の音楽を配信できる時代になりました。

「できますよね、今はね。昔はそうじゃなかったんで」

 ―今の若いミュージシャンをご覧になってどう思いますか? ミュージシャンにとっては、良い時代になったのでしょうか。

「そうですけど、内容がね。全然ピンとくる曲が無くて。今の音楽は全然わからないですね。優秀な方もいるんでしょうけどね。自分が興味ないんであんまり。たまに参考で聴きますよ」

<3>に続く(全4回。近日公開)


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