論説

五輪視野に整備加速を 圏央道の「大栄-横芝」間

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 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の県内区間で、唯一の未開通区間「大栄-横芝」。国は本年度、予算を大幅に増やし、着工も視野に入れる。圏央道に近い一宮町は2020年東京五輪のサーフィン競技の会場。同区間が開通すれば、成田空港への利便性は飛躍的に高まる。国は早期全線開通に向け“アクセル”を踏み込むべきだ。

 圏央道は茨城、埼玉、東京では全線供用された。本県区間は延長約95キロのうち約8割が開通済み。しかし、大栄-横芝の約18・5キロはいまだ開通目標年次すら示されず、“トンネルの出口”が見えない状況だ。

 ルート上にある地元は、開通が遅いことに危機感を募らせる。「早期完成なら企業誘致で有利になる。このままでは乗り遅れてしまう」と横芝光町。地方創生に取り組む市町村にとって圏央道は「人口減少を食い止める起爆剤になる」と渇望する。

 同区間は14年から用地取得が進められている。県によると、16年10月1日時点で用地取得率は5割に達した。併せて、事業区間の約4割の範囲に所在する埋蔵文化財の調査も行われている。こうした中、国土交通省は17年度の予算配分を発表。同区間の用地買収や一部工事費は前年度比2倍の約61億円とし、本体工事は「17年度着工を見込んでいる」とした。

 道路行政で着工手前までこぎ着けた現状を車の運転にたとえて、スピード感が出る3速に相当するという。路線調査の1速、用地取得の取っ掛かりの2速からギアが一段階上がった格好。県は「予算倍増で用地取得の進ちょくに期待。17年度中の着工なら、さらに(事業は)前進する」と歓迎する。

 今後について、千葉国道事務所は「円滑に事業を進め、開通目標年次は見通しが立った段階で確定していく」と説明する。引き続き地権者との交渉を精力的にこなし、全用地取得につなげてほしい。そうなれば、整備は完成への詰めの工程とされる4速に加速する。

 五輪によって千葉に対する注目度が大きくアップすることは間違いない。その効果を最大限生かすためには圏央道の「輪」が一刻も早くつながるよう努力することが不可欠。実現にはオール千葉の関心事とする取り組みも求められる。