
長柄町は、75歳以上の高齢者の外出を無料で支援する町内移動サービス「なごみライド75」の実証運行を始めた。決まった運行日に月4回まで、町内の希望の場所に送迎する。実証期間は来年3月末まで。利用実績を踏まえ、本格運行を検討する。
(武内博志)
町によると、運行日は毎週水曜日と町福祉センターの「ながら温泉町民無料開放日」(原則、毎月第1月曜日)。一日に5便あり、基本的には各運行枠を貸し切る形で利用してもらう。
運行台数はワゴン車1台。75歳以上で日中に移動手段がないなど一定の利用要件があり、事前の登録と電話予約が必要。
町役場で4日に出発式があり、月岡清孝町長は「町は交通インフラが乏しく、免許を返納した高齢者らの移動手段の確保が課題となっている。是非多くの75歳以上の方に乗ってもらいたい」と話した。
町はこれまで、高齢者らの外出支援策として、タクシー利用料の助成(75歳以上は本年度から年最大5万4千円分の利用券を交付)や路線バス回数券などの助成を行ってきた。
ただ、町内にタクシー会社はなく、町役場までのタクシー代が往復約6千円かかる地区もあり、昨年度のアンケートでは利用券を「もっとほしい」という声が多かった。
路線バスは昨年3月に町役場に乗り入れる路線が休止し、助成対象が町北部を通る2路線しかない状態に。町社会福祉協議会の福祉タクシーは、目的が病院利用などに限られ、買い物には使えないという。
町担当者は、今回の移動サービスと従来の支援を「組み合わせてほしい」と呼びかけている。





