待望の新ノリ、市場へ 千葉県内8漁協が出品 生産上向き、富津で初競り

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入札前に品質を確かめるノリ業者ら=15日、富津市

 不作のため2度にわたって延期された江戸前新ノリの初競りが15日、富津市富津の千葉県漁連のり共販事業所で開かれ、約321万枚が競り落とされた。これほど遅い時期の初競りは例がなく、問屋や生産者からは「待ってました」「やっと届けられた」との声が上がった。待望の千葉県産新ノリがようやく市場に出回る。

 今期のノリ漁は昨年に続き不作に見舞われ、当初は11月24日の予定だった初競りが行えずにいた。今月に入り収穫量が増え始め、富津、木更津、市川、船橋市の8漁協が出品にこぎ着けた。延期した分、異例の少なさだった昨年の初競り(11月27日)の158万枚を上回る品数となった。

 県内外の約50社80人の業者が参加し、質感や香りを確認して入札に臨んだ。浦安市のノリ問屋「丸茂海苔店」は、本来は江戸前ノリ専門だが、やむを得ず九州産を仕入れてお歳暮シーズンに対応していた。同店の丸茂一城社長(45)は「浦安はもともとノリの町。九州産を仕入れても千葉のノリを待つ客が多かった。千葉のノリは香りが違う」と待望の県産新ノリを吟味した。

 魚や鳥の食害対策に力を入れ、一定の効果があったという新富津漁協(富津市富津)の小泉敏組合長(62)は「問屋にも迷惑を掛けていたが、これから良くなると思う。千葉のノリが忘れられないようにしたい」と力を込めた。

 同事業所によると、平均落札価格(100枚当たり)は昨年の初競りより577円安い3102円。最高落札価格は2150円高い9千円(同)だった。出品数が昨年より多かったため値は落ちたが、待望の初競りとあって活発な入札で例年以上の値が付いたという。