何度も行きたい! いちはらアート×ミックス<1>

 5月11日まで市原市で開催されている「中房総国際芸術祭 いちはらアート×ミックス」(以下、アートミックス)。ちばとぴでは3回連載「日帰りでサクっと回る アートミックス」で、気軽に回れる日帰りプランを紹介した。だが、あれはあくまで導入編。芸術祭をさらに満喫してもらうため、続編レポート「何度も行きたい! アートミックス」をお送りする。(ちばとぴ編集部)

【1. サンタル族とお茶会】
 インド東部のシャンティニケタンという町からさらに数キロ内陸に入った村から、少数民族「サンタル族」4人が来日し、「いちはら市民の森」で「サンタルの食堂」を開いている。

 これは「岩田草平×プロマイノリティ」のプロジェクト。岩田さんは2008~12年の間、インドで建築などの滞在制作を行っていた。「サンタル族との深い関係を続けたい」と、今度は日本へご招待。難しいことは抜きにして、ここに来れば岩田さんの愛するサンタル族に会える(サムネイル写真1~9 ※右側の写真とは別に、記事下のサムネイル写真をクリックすると、それぞれ拡大できます)。

 「食がテーマ」というこのプロジェクトでは、カレーやチャイなど飲食を提供する他、民族衣装を着ての記念撮影会など各種ワークショップを用意。記者は「サンタル人とお茶会&語学体験」(鑑賞パスポートとは別途料金が必要)を選択し、マイノ・ツーズーさんとマロティ・ムルムさんの女性2人から「サンタル語」を学んだ。一般のインド人には通じないらしいが…。

 簡単なあいさつを学んだところで、「コト ボエッシュ(年齢は?)」と質問してみると、マイノさんは「バンバラヤ」、マロティさんは「ヘリンケダ」と、とぼけた顔。プロマイノリティのスタッフに通訳してもらうと、「バンバラヤ(分からない)」「ヘリンケダ(忘れた)」という意味だという。

 シナモンのきいた甘いチャイを味わいながら、30分間の語学体験を修了。最後に村民証を発行してもらい、「アバールヘジュア(また来るね)」と別れた。

【2. 森ラジオ ステーション】
 サンタル族と別れた後、最寄りの月崎駅に向かう人は、駅の改札をくぐる前に立ち止まって欲しい。右手に、小屋が建っていることに気づくだろう。植物に覆われ、屋根からは水がしたたり落ち続ける奇妙な小屋…。元は月崎駅員の詰め所だったが、木村崇人さんの作品「森ラジオ ステーション」に生まれ変わった(サムネイル写真10~16)。

 室内にはラジオがいくつも配置されており、ヘッドホンを耳に当て、壁の番組表に沿って周波数を合わせると、何やら音が…。列車やバスを待つ間、森にまつわる話などに耳を傾けながら、森と人の関係を見直してはいかがだろうか。

【3.指輪ホテル】
 アートミックスの舞台の一つに、小湊鉄道がある。その舞台を最大限に生かしたサイトスペシフィックな作品が、走行中の車両内で繰り広げられる指輪ホテルの演劇「あんなに愛し合ったのに~中房総小湊鐵道篇」だ。

 観客たちが、午後零時39分(土日祝日のみ)、上総牛久駅発車の車両に乗り込まなければ話は始まらない。その前に、プラットホームに上がる階段下で、生気の感じられない黒装束の一団に出迎えられることだろう。車両内で横たわる女性をまたぎながら観客たちがようやく座席を埋めたころ、遅れて制服姿の女性車掌が乗り込み、悲鳴。列車はゆっくりと走り出す。

 劇の詳細は記さないが、窓の外の景色、駅ごとの演出、地域の歴史ともからめたストーリーなど、アートミックスの魅力がこの演劇作品に凝縮されている(サムネイル写真17~23)。

 鑑賞パスポートとは別に観劇チケットが必要(→公式サイト)。1週間前の予約が必要だが、わずかに当日券が発行される日もある。アートミックスの公式ツイッターやフェイスブックで情報収集して欲しい。

 

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