銚子市職員4人を書類送検 工事12件の入札情報漏らした疑い 千葉県警、2業者も摘発

銚子市のホームページ。都市整備課は市道の維持管理などを行う
銚子市のホームページ。都市整備課は市道の維持管理などを行う

 銚子市発注の工事などの入札情報を漏洩(えい)したとして、千葉県警は25日、同市職員4人を官製談合防止法違反などの疑いで書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。県警は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

 捜査関係者によると、書類送検されたのは市都市整備課などの29~48歳の男性職員4人。4人はそれぞれ2023年7月~今年1月ごろ、市内の市道舗装修繕などの工事計12件について、最低制限価格の算出に必要な直接工事費などをいずれも市内の2業者に漏洩した疑いがある。

 漏洩を受けたとされるのは「乙辺工業」の社長の男性(51)と、「小林建設」の営業担当者の男性(71)。乙辺工業は10件、小林建設は2件の工事について事前に市職員から入札情報を聞き、不正に入札を行った疑いがある。落札された工事もある。業者の2人は公契約関係競売入札妨害の容疑で県警に書類送検された。

 書類送検された6人全員が容疑を認めている。市職員4人は「業者と良好な関係が築けると思った」「懇願され同情してしまった」「しつこく頼まれ、予定価格の算定がしやすくなるくらいなら許されるだろうと思った」などと供述している。

 業者の2人は「少しでも売り上げを伸ばしたかった」「前年度の続き工事であったので、どうしても落札したかった」と供述しているという。

 県警は今年1月に関係者から情報提供を受け捜査を開始した。2月末には市が入札で積算誤りがあり、落札済みの工事の一部を契約解除したと発表。この入札で乙辺工業は「誤って設定された最低制限価格」と同額で落札していた。

 捜査関係者などによると、県警は今月9日、銚子市役所を訪れ、越川信一市長と面会。市職員らが不正入札に関与した疑いがあり、任意で捜査していることを説明した。越川市長は捜査に全面的に協力すると応じたという。


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