内部通報労働賃金請求 味の素側は棄却求める 千葉地裁、第1回口頭弁論

千葉地裁
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 味の素グループの「味の素冷凍食品」千葉工場(千葉市美浜区)で働くパート従業員の男性(60)=同区=が、味の素(東京)と味の素冷凍食品(同)に対し、業務改善提案を行うために費やした時間外労働分の賃金支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が17日、千葉地裁(村主隆行裁判長)であった。味の素側は答弁書で請求棄却を求めた。

 訴状によると、男性は味の素の「グループポリシー」に基づき内部通報で、薬品管理方法や食材の取り扱いに問題があると指摘した。この対応に費やした時間外労働分約738時間の賃金など約750万円の支払いを求めている。

 男性は口頭弁論後、記者会見を開き「この裁判を通じて、公益通報者が報われる制度の確立を社会に求めたい」と語った。

 味の素冷凍食品は17日、千葉日報の取材に応じ、担当者は「業務時間外に行われた、上司の承認を得ていない業務について(業務対価の発生を認めることに)承服しかねる。法令に基づき適切に品質管理や検査を行っているため、(男性から)指摘された内容は認めることはできない」とコメントした。


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