メインコンテンツに移動

歴史的建物を立体データ化 災害備え、損傷防止

2024/7/29 8:55 (2024/7/29 10:00更新)
 「デジタルツイン」によって再現された永平寺の仏殿(清水建設提供) 拡大する

「デジタルツイン」によって再現された永平寺の仏殿(清水建設提供)

 現実世界の環境をネット空間に再現する「デジタルツイン」と呼ばれる技術を使い、歴史的建造物などの立体データを保存する取り組みが進んでいる。図面が現存しない古い寺社や、地中にある遺跡の精密な構造を把握できるのが利点。自然災害で被害を受けた際の再建に生かすほか、工事などでの埋蔵文化財の損傷防止に活用する。

 デジタルツインは、建物などの位置や色を点群データとして計測し作成。3Dスキャナーにより、1秒間に100万点以上の点群データの計測が可能だ。完成したデータはアングルを変えたり、輪切りにして構造を確認できたりする。

 福井県永平寺町にある曹洞宗の大本山「永平寺」とゼネコン大手の清水建設は2023〜24年、将来の地震や火災に備える目的で、仏殿など国の重要文化財19棟のデジタルツインを作成。複雑な骨組みや彫刻、床下や屋根裏といった入り組んだ場所も、社寺を知り尽くした宮大工の力を借りて計測した。

 維持・保全を担当する石田純道さんは「データを残すことが、今の私たちにできる歴史の継承だ」と強調する。