千葉県内陸運業 労災事故5年連続増 高齢化、コロナも影響 千葉労働局対策呼び掛け

荷台からの転落防止策として千葉労働局が設置を促している昇降設備の例(同局提供)
荷台からの転落防止策として千葉労働局が設置を促している昇降設備の例(同局提供)

 千葉県内で陸運業の労災事故が5年連続で増加しているとして、千葉労働局が独自の対策に乗り出している。県内には物流拠点が多く、元々事故の発生率が高い傾向にある上、新型コロナウイルス禍による外出自粛で宅配便の取扱量が増え、さらにリスクが高まっている。同局は、荷台からの転落防止設備の設置などを事業者に呼び掛けている。

 同局や県によると、県内では主に北西部で物流施設の建設が活発。高速道路網の整備で利便性が高まった上、人口が多く労働力を確保しやすいためとみられる。物流施設の多さから、県内では元々、労災発生率が全国より高い傾向にあるという。

 同局が昨年把握した陸運業の死傷者数(休業4日以上)は、前年比78人増の1108人(うち死者3人)で5年連続増加。今年5月末時点では、前年同期比42人(16%)増の302人(速報値)で、増加率は全国の12%を上回っている。

 昨年の死傷者を事故の類型別でみると、トラック荷台などからの「墜落・転落」が238人で最多。重い荷物を持って腰を痛めるなど「動作の反動・無理な動作」が195人、「転倒」が178人と続いた。

 事故増加の要因の一つは、従業員の高齢化。身体機能の低下でつまずいたり、無理な動作で腰を痛めたりするケースが目立つ。さらに昨年から懸念されているのが、コロナ流行による運送需要の増加だ。

 外出自粛でインターネット通販などの利用者が増えたため、物流拠点が多い県内では陸運業者の仕事量がより多くなっているという。同局は「宅配便の取り扱い個数が増加する中、引き続き労災発生のリスクが高水準で推移する懸念がある」と指摘する。

 こうした状況を受け同局は6月、荷役作業中の事故防止を図るよう県トラック協会などに緊急要請した。7月1日から年内は、同局、陸運業者、荷主の3者による「労災防止トリプル作戦」を展開。荷台への昇降設備や、作業スペース確保のためのプラットホームの設置などを事業者に求めている。

 同局は今年の死傷者数を昨年より減らす目標を掲げており、担当者は「荷主と運送事業者が一体となって取り組みを進めてほしい」と呼び掛けている。


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