ワンマン車両「E131系」で男性骨折 JR外房線、導入直後 内房線でもヒヤリ事案

JR外房線のワンマン運転に使用している車両
JR外房線のワンマン運転に使用している車両

 今年3月に導入されたJR外房線のワンマン運転車両で同月、電車を降りようとした乗客が転倒し、太ももの骨を折る重傷を負っていたことが5日、JR東日本千葉支社への取材で分かった。4月にも、内房線の同型車両で乗客がドアに挟まれそうになる事案が発生。同支社はいずれも公表していなかった。

 両事案とも春のダイヤ改正で導入された新型車両「E131系」で起きた。車掌を置かないワンマン運転には、安全性に不安があると指摘する声が沿線住民らから上がっていた。

 同支社は「事故に遭われた方には謝罪し、誠実に対応している。運転士の教育や乗降を視認できるモニターの設置などの安全対策を講じており、ワンマン運転は継続する」と説明している。

 同支社によると、3月16日午後1時半ごろ、太東駅(いすみ市)に停車した2両編成の車両で、運転士が閉めようとしたドアに降りようとした70代男性が接触してホームに転倒した。電車は約9分遅れで発車した。

 4月20日には、江見駅(鴨川市)で降りようとした高齢女性がドアに挟まれそうになった。気付いた運転士がすぐに開け、けがはなかったという。

 内房、外房両線のワンマン運転を巡っては、沿線住民らが3月、導入中止を求める署名約3800筆を同支社へ提出。昨年12月には沿線自治体の館山市議会が「利用者に説明し、安全性を確認するまで導入しないことを求める」とする意見書を可決した。


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