五輪まで1カ月 地元大原選手の活躍期待 観客対応、コロナ対策は不明点多く サーフィン会場の一宮

一宮町役場には大原選手の五輪出場を祝う懸垂幕が掲げられた=22日
一宮町役場には大原選手の五輪出場を祝う懸垂幕が掲げられた=22日

 東京五輪の開幕まで23日で1カ月。サーフィン会場の一宮町役場には22日、同町出身、在住の大原洋人選手(24)の日本代表決定を祝福する懸垂幕が掲げられた。地元選手の活躍に期待が高まる一方、詳しい観客への対応や新型コロナ対策は示されておらず、不安の声も上がっている。

 会場の釣ケ崎海岸は大会本部、選手の控え室、ライブ映像を流すための設備など、仮設の施設が整備され、完成は間近。同町は開幕までにJR上総一ノ宮駅や会場入り口に横断幕やフラッグなどの装飾を施す予定で、都市ボランティアの研修も順調に進んでいる。懸垂幕を除幕した馬淵昌也町長も「史上初のサーフィン競技に、町の選手が代表で出るとは。心が浮き立つ。天下を取ってほしいね」と期待を込める。

 一方、観客への対応、コロナ対策には不明な点が多く、不安は解消されていない。町が関与できるのはごく一部に限られ、選手、役員の宿泊や感染対策、町外駐車場からのシャトルバス運行、交通規制などは、全て五輪組織委が担当する。

 特に会場内で計画されている「サーフィンフェスティバル」には否定的な意見が多い。まだ開催の可否に結論は出ていないが、馬淵町長は「さすがに酒を提供するのはいかがなものか。熊谷知事と歩調を合わせ、必要があれば要望を出す」と指摘した。

 21日にあった五輪組織委、東京都などの5者協議の決定に沿うと、サーフィン会場の観客数は予定していた6千人の5割、3千人になる。来場者は自家用車とJR利用者が、ほぼ半々と見込む。馬淵町長は「直行直帰といわれているが、強制力はない。町にできるのは感染対策をお願いするだけ」と苦しい胸の内を明かした。

 観戦チケットが確保される予定の近隣自治体の小学校は「熱中症対策を要望したが、芳しい答えがない」と困惑する。一宮海岸周辺で飲食店を営む40代男性も「直帰が守られるなら、観戦者は店にこないが、実際にどうなるのかは始まってみないと分からない。通常営業するしかない」と話した。


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