五輪への切符「夢のよう」 大原洋人選手、地元・一宮開催のサーフィン代表に 父親が苦難の道のり語る

大原洋人選手の五輪メダル獲得を期待する父、剛さん=16日、一宮町
大原洋人選手の五輪メダル獲得を期待する父、剛さん=16日、一宮町
五輪会場となる一宮町出身の大原洋人選手(右)。2010年には小学生時代の同級生だった稲葉玲王選手とともに、13歳でJPSA公認の最年少プロサーファーとなった=同年、一宮町
五輪会場となる一宮町出身の大原洋人選手(右)。2010年には小学生時代の同級生だった稲葉玲王選手とともに、13歳でJPSA公認の最年少プロサーファーとなった=同年、一宮町

 サーフィンの東京五輪代表に決まった大原洋人選手(24)の父、大原剛さん(47)が16日、千葉県一宮町の自宅で取材に応じ、洋人選手の子ども時代や、五輪切符獲得までの苦労などを語った。「夢のよう。いまだに信じられない」と喜び、「メダルのチャンスはある」と大舞台での活躍に期待した。

 剛さんはサーフィン好きが高じて20歳の時、結婚を機に都内から移住。一宮町で生まれた洋人選手は、保育所時代から両親とともに、海になじみ、小学2年から本格的にサーフィンを始めた。平日は朝、夕、休日は1日中、海に入り練習を重ねた。

 洋人選手は五輪会場の釣ケ崎海岸で、プロの一流の技を間近で見て「ああなりたい」と目を輝かせていたという。剛さんは「自分自身が自己流で、遠回りしたため、基本はしっかり教え込もう」と、自ら手ほどきした。

 国内の大会で好成績を残し、5年生から海外遠征を始め、中学生でプロに。「お金がかかり過ぎて、プロになってくれないと支えきれなくなった」と苦笑。塗装業を営むが、「仕事に追われて、試合をほとんど見にいけなかった」と振り返る。

 サーフボードメーカーなどスポンサーがつき、遠征費の負担は減ったが、頂点を目指しコーチ、トレーナー、メンタルコーチをつけるため費用がかさむ。洋人選手の姉、沙莉さん(26)は、ボディーボードの世界チャンピオン。「2人は絶対平等」が夫婦の決めごとで、全てを子どもたちにつぎ込む日々は続いた。

 洋人選手の五輪出場への道は険しかった。2015年のUSオープンに優勝して、世界に名をとどろかせたが、その後の成績は一進一退。昨年のジャパンオープン、ワールドゲームズとも負けたら終わりの瀬戸際を勝ち抜いた。

 「メンタルが強くなり、準備がしっかりできていた。コーチら『チーム洋人』の支えも大きかった」と感謝する。「悔しい思いをたくさんしたことが実ったんだと思う」

 コロナ禍で昨年は久々に自宅で一緒に過ごす時間が増えた。体幹が鍛えられ、体が一回り大きくなるのを頼もしく見てきた。

 本番まで1カ月半。「世界中のトップ、『ドリームチーム』がやってくるので簡単ではないが、100%力を出し切り、一人一人倒していけば、メダルに手が届く」と確信している。


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