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浸水想定区域外で死者 被害住宅は1500戸 行方不明2人に 【房総豪雨】

大雨で行方不明となった男性を捜索する消防隊員ら=28日午後1時15分ごろ、佐倉市羽鳥
大雨で行方不明となった男性を捜索する消防隊員ら=28日午後1時15分ごろ、佐倉市羽鳥

 25日の記録的豪雨で、千葉県内の住宅浸水被害が県の28日時点の集計で床上666戸、床下830戸の計1496戸に上った。各市町村は「洪水ハザードマップ」を作成して浸水想定区域や水深を示し、住民に注意喚起してきたが、雨量は想定を超え、浸水想定区域外での死者もいた。今回の豪雨を踏まえ、想定や対策の練り直しが急がれる。人的被害では死者9人に加え、行方不明者が1人増えて2人になった。

 県によると、新たに行方不明と確認されたのは浦安市の80代男性。県警が27日、佐倉市羽鳥の水田内で見つけた放置車両が、ナンバーから男性の車と確認できた。車内は無人だった。男性は25日、仕事のため車で同市へ向かったという。家族が27日に行方不明届を出していた。

 一宮川の氾濫などに見舞われた長柄町では、車が流されたり水没したりして2人が死亡した。同町によると、町のハザードマップの浸水想定区域外でも浸水が発生。2人が亡くなったエリアも想定区域外だったという。

 ハザードマップ作成には地形や過去の災害を参考にするが、これほどの豪雨は「今まで経験したことがない」(町担当者)。町役場も孤立し、浸水状況の正確な把握は難しかったとしつつ、腰の高さまで浸水していたとの報告があるという。

 清田勝利町長も「役場周辺の低い土地の所では、水は2メートルほどに達したのではないか。水は25日午前11時前後にあふれ始め、すぐに県道が冠水し、役場に続く誘導路に迫ってきた。ここまで水が出るとは想定していなかった」と話した。

 広域冠水が続いた茂原市では、県把握分だけで住宅計717戸が浸水した。

 避難所だった中央公民館も浸水。同公民館は市のハザードマップの想定区域に「ぎりぎり入っていない」(市担当者)が、過去に浸水があったため想定はしていたという。ただ、膝上まで浸水した今回は停電でトイレも使えず、携帯トイレを倉庫に取りに行くこともできなくなり、県警が避難者をボートで救助した。

 市は現行のハザードマップ(2014年作成)を来年度初めにも更新する予定で、作業を進めているさなかだった。今回の豪雨の被害状況調査を今後進め、反映させる考えだ。

 長南町では車が道路冠水で水没するなどして2人の死者が出たが、いずれも想定区域内だった。町担当者は「ハザードマップが浸透していなかったのは否めない」と受け止める。

 同町ではおおむね想定していた通りの場所で浸水したが、浸水面積が想定より広かった可能性はあり、今後調査する。同町もハザードマップを更新作業中で、併せて周知にも改めて取り組む方針。

 河川氾濫が相次いだ中、県は県内河川の水位計108カ所のうち11カ所が、故障などで豪雨による水位上昇をチェックできていなかったと明らかにした。高崎川(佐倉市)や作田川(山武市)などでは氾濫危険水位に達してから故障したため、危険性の周知に問題はなかった。一方、職員が見回らなかった箇所もあったという。

 土砂災害も甚大。県の28日集計では住宅の全壊が千葉市緑区、長柄町、長南町の計8戸で、いずれも土砂崩れが原因。新たに全壊と判明した長南町の2戸では、住人が避難したり、無事だった母屋にいたりして、人的被害は免れた。半壊は2戸、一部損壊は22戸。

 行方不明者以外の人的被害は死者9人、重傷者1人。5人は土砂災害で死傷し、5人は車の水没などの水害で死亡した。


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